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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/04/19 (Fri) 16:52
Posted by シスターM
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2011/08/31 (Wed) 15:09
Posted by シスターM
引き続き、阿呆なパロネタ小噺です。
今回は7×6的(正確には7→6)です。
出会ったふたり。

で、蛇足ですが。
7の人が最初に「教官」と呼称していたのは、7のバレットさん的なイメージです。
それっぽく見えそうな描写が皆無ですが、ひらにご容赦を!


ハンターになった動機を問われると、単純に、稼ぐため。
両親は既に他界し、身一つで生計を立てていかねばならぬ自分が。
手っ取り早く自らを養っていける手段として、選んだのが、ハンター。
幸いにして、亡父の知己に元ハンターがいた事により、諸手続はすんなり進んで。
無事登録を済ませてから、ミッドガルの街で新人向けの教育を受け始めた頃に。
その話が、舞い込んだ。

「……ウルの、村?」

辺境のその地には縁がなく、名を耳にした事がある程度だ、と。
質問に答えた俺に、現在武芸を指導してくれている、髭面の教官は頷いて。
「ああ。クラウド、お前さんにはその村に行ってもらいたいんだとよ」
そう告げると、腰のポーチから、やけに白くて上質な紙の封筒を取り出した。
ギルドから直々に達しが来るなんて、そうそうないぜ、と教官が苦笑い。
手渡されたその中身をざっと一読して、俺は眉を顰める。
内容を要約すると、『ハンターとしての基礎訓練をウルの村で受けろ』というもので。
当然ギルド所属の身である自分に、拒否権はない。
「何故俺は、わざわざ田舎に派遣されるんだ」
「俺に聞かれてもわからんぞ。ただなぁ」
教官は、がしがしと頭を掻いてから。
「正直なところ、お前さんはそっちの教官に指導された方が、いいだろうな」
「どういう意味だ?」
首を傾げる俺に、教官は豪快に笑ってから。
「俺が言うのも何だけどよ、ウルに住んでる教官は、相当の凄腕なんだ」
「あんたよりも、か」
「ああ。それは間違いねぇな」
お前さんには素質があるから、いい教官に指導して貰った方がためになるぜ。
ま、頑張れよ、と。
やけにサバサバした表情で、髭面の教官は、強く俺の肩を叩いた。

 

『そして、僕らは出会う。』

 

慌しく荷物を纏め、定期便の飛空艇と乗合馬車を利用して。
俺がウルの村に着いたのは、教官から話を受けた日から数えて6日後の、午後。
(やれやれ、やっと着いたか)
国北部に位置するウルは、平地のミッドガルとは打って変わって、高度がやや高い。
周囲を森に囲まれた冷涼な気候だが、質の良い温泉が湧くことでも有名で。
豊富な湯やその温熱を活用し、人々の生活はそれなりに潤沢らしい。
今はともかく、先に備えて防寒の衣料を揃えるべきか、と思案しつつ村を歩く。
すると、ちょうど目の前に、訓練所の所在地を示す古い看板が見えた。
(こっちか)
ミッドガルで指示を受けたとおり、まずは訓練所へと顔を出す事にして。
俺は、目の前に佇む古びた門を潜った。
門を潜った先には、それなりに広い場所と、傍らには……畑、だろうか。
(えらく生活感のある訓練所だな)
広いとはいえない土地を有効活用し、ずいぶんと多種の野菜が栽培されていて。
凄腕だとしか前情報のない、ここの教官の人物像が、掴めないままだと思う。
どんな人間なのだろう、と敷地内へ視線を廻らせていると。
「あれ?うちに用事かい?」
柔和な声が届いたかと思えば、細身で長身の男が、人好きのする笑みを浮かべていて。
手に持っていた野菜の籠を置いてから、小走りにやって来た。
「君は?」
まだ青年、しかもさほど自分と変わらない年代であろう、その気さくそうな男に話しかけられて。
「あ、俺は、その」
やや慌て気味に、腰のポーチから取り出したのは、ギルドから届いた手紙。
その白い封筒を見た途端、目の前の男は目を見開いて。
「ああ、そうか!君がクラウド=ストライフ」
「え」
「すまなかった、ギルドから連絡は受けている」
男は大きな右手を、俺に差し出すと。
「ここウルで教官を務めている、フリオニールだ。よろしく頼むよ」
先程よりも少しだけ凛とした、でも変わらぬ穏やかな声で、俺に名を告げた。

フリオニールに案内を受けながら、訓練所の建物の中へと入ると。
古めかしい印象を受けたものの、ずいぶん綺麗に整頓がなされている様子だった。
落ち着いた雰囲気の客間に通されて、温かいお茶をご馳走になる。
飯は食べたか、と訊ねてくれる相手に、まだだ、と答えるとすぐ立ち上がり。
少し待たされた後、簡単なもので済まないが我慢してくれ、と。
温かそうな湯気を立たせた野菜のスープと、トーストしたパンが運ばれて来た。
シンプルな味付けながら美味な食事を、有り難くご馳走になってから。
食後にまたお茶を供されて、この教官の有り得ない程のまめさに驚く。
「悪いが、当面訓練所の中の部屋で生活してくれ。食事は俺が用意する」
「……それは有り難い。料理は苦手だ」
「ああ、そうなのか。じゃあ任せてくれ」
教官というよりも、同年代の友人のように話しかけてくれる、フリオニールは。
年齢を尋ねてみれば、俺より若干上の25歳と聞かされ、驚いた。
「まだまだ現役ハンターとして働けるんじゃないのか?」
俺の質問に、彼はいいや、と苦笑いをして首を振る。
「クエスト中にミスをしてしまってな。足をやられてるんだ」
長時間の移動には支障が出るから、狩猟は厳しいんだ、と付け足してから。
「だから、ここで職を得られた事に感謝してるんだ」
明日からびしびし訓練するからな!と、悪戯っぽく笑って言われた。
お手柔らかに、とこちらも苦笑混じりに答えると、不意に。

「フリオニールさん?こっちにいるんですか?」
耳慣れない、少女の声。
「ああ、ティナ、お帰り。昨日話したクラウドが、到着したんだ」
紹介するからこっちに来て、とフリオニールが声をかけて。
着替えをしてから行きますね、と少女は言葉を返した。
「今のは?」
「うん。その手紙には、多分君自信の派遣意外の事は、一切書いてなかったろう?」
フリオニールは俺へと向き直り、簡潔に説明してくれた。
「要は、君と同じようにここへ派遣された新人が、他にもいるんだ。あと3人」
「3、人も」
「そう。4人で力を合わせて事を成してもらいたい、と上は考えたようだな」
眉を潜めて頷くフリオニールに、俺は訊ねる。
「事を成す、とは何だ?」
「俺にもまだ詳細は知らされていないんだ。ただ、恐らくは……」
「失礼します。今大丈夫ですか?」
フリオニールの言葉を遮るようなノック音と、控え目な可愛らしい声。
「ああティナ、どうぞ入って。クラウドを紹介するから」
彼女と一緒に説明するから、と小声で俺に告げてから、扉にフリオニールが声をかけると。
静かに開いた扉から、ひとりの少女が歩いて来た。
(……!)
思わず目を見張ってしまう俺に、フリオニールは軽く笑んで。
「ああ、やっぱり驚いたか」
俺も最初にティナに会ったときは驚いたんだ、と付け足してから、少女の元へ歩いて。
「ティナ。今日到着したクラウド=ストライフ。大剣使いだ。それからクラウド」
彼は俺へと向き直ると、隣に佇む少女の背をそっと押して、俺へと近づける。
「こっちは一昨日到着した新人の、ティナ=ブランフォード。ガンナーだ」
ふたりとも挨拶ぐらいはしてくれよな、と言い添えて。

綺麗な女だ、と素直にそう思う。
少女という印象を最初に持ったのは、その儚げな雰囲気と、か細い声からだったのか、と気付く。
今まで見たこともないような整った造作の顔、紫水晶のような輝きの瞳、淡雪の白さを持つ肌に女性らしい体躯。
珍しい緑がかった髪を無造作に結って、化粧っ気もない顔だけれど、その美は疑いようもない。
村人が着るような簡素な衣服を身に着けてでさえ、これ程に綺麗なのだから。
装いを改めれば、紛れもなく誰もが見蕩れるような美女に、なるはずだ。
(こんな女が、いるのか)
よりにもよって、こんなに綺麗な女が、その命を張るハンターという仕事に。
きっと都会へ出て行けば、その美にいくらでも金銭を捧げる男が、いくらでも現れるであろうはずなのに。
「あの、クラウド、さん?」
声をかけられてはっとすれば、目の前にいた女─ティナは、戸惑いを浮かべつつ俺を見ていて。
「……っ、ああ、すまない」
俺は慌てて右手を出し、握手を求めた。
「ミッドガルから今到着した、クラウド=ストライフだ。よろしく、頼む」
「あの、私、ティナです。ティナ=ブランフォード。東のモブリズから来ました」
よろしくお願いします、と花が綻ぶような笑顔で答えてくれた、女の手は。
小さくて、柔らかいと感じた。


   *


あの時。
ティナを見て、素直に『綺麗』だと思った自分の心は。

紛れもなく、あの瞬間。

彼女に、一途な恋をした。

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女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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