忍者ブログ
Admin / Write / Res
勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
[220]  [219]  [218]  [217]  [216]  [215]  [214]  [213]  [212]  [211]  [210
[PR]
2019/08/20 (Tue) 03:09
Posted by シスターM
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

こんにちは、管理人です。

さて、本州の学校は既に夏休み突入だそうですが(管理人の住む土地はまだです)。
パラレルで以前「夏休み前」を書いた折、続きのリクを頂戴しておりました。
管理人としても是非続きを!と考えていたので、綴ってみましたところ、驚く程話が進みません(涙)。
夏休み話、できればもう1作続けたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

夏の高原。
爽やかな緑の香りを運ぶ風。
静かな森の中に佇む別荘。

本来ならば、穏やかで退屈な日々。
だが、今年は。

 

『君の隣に立ちたくて』

 

落ち着いたグレーカラーの愛車のハンドルを握る、セシル。
奴の好むイージーリスニング系の音楽が、ゆったりと車内を流れる。
助手席には人はなく、俺はドライバー席の後ろで腕組み。
そして、隣には。
「ごめんティナ、ドリンクもらっていいかな?」
「わかったわ、セシル」

───ティナの、笑顔。

 

セシルの家で持っている、郊外の保養地にある別荘。
そこで過ごす事にしていた奴が思いついた、とんでもないアイディア。
『夏休みの住み込みアルバイト』と称してティナに同行してもらう、なんて。
無謀としか言いようのなかった、セシルの作戦。
しかしどんな運命の悪戯か、ティナがOKを出したのだ。
「大丈夫だったのか?都合は」
俺は気持ちの優しい彼女が、俺たちを気遣い無理をしたのではないかと、気になって。
思い切って出発前に再確認し、彼女にくすくすと笑われた。
「本当に大丈夫、心配しないで。セシルがつけてくれた条件も、有難かったし」
それに、と彼女は付け足す。
「私も楽しみにしているのよ、本当に」
「………………そうか」
「ええ」
ふんわりと花が綻ぶような笑顔で、再度告げられて。
俺はただくぐもった声を上げ、納得するしかなかった。

(夢、ではない……よな)
座席に凭れ、車窓の流れる景色を楽しむティナを横目で見る。
シンプルなアンサンブルの上にパーカー、下はデニムのハーフパンツ。
サンダルを履いた素足が、惜しげもなく晒されている。
しかも俺の頭の位置からは、ポニーテールの下でちらりと白い項が覗き。
後れ毛がかかっている様すら何ともいえず、艶かしさすら覚えてしまっていて。
自分がとんでもなく余裕のない人間に思えてしまい、自己嫌悪。
セシルの店では向かい合わせで話す事も多く、その笑顔を見ても照れなくなったが。
こんな位置にいられる僥倖など、初めての経験で。
嬉しさと同じぐらいに羞恥がこみ上げる、複雑な心境だ。
(!?)
ふと視線を感じて前を見ると、運転席のバックミラーを介して、セシルの瞳が。
俺を笑って見ていたのを認識し、ますます自己嫌悪に陥る。
(笑うなら笑え、こっちは経験なんてないんだ!)
心の中で毒づいていたら、ふと横から声が届いた。

「スコール、どうかしたの?」
「!?」
慌ててティナに視線を戻すと、俺をじっと見つめたまま心持ち首を傾げて。
「何か考え事?」
「……っ、い、いや何でもない」
邪気のない澄んだ瞳に見詰められ、うっかり声を詰まらせた。
「そう?」
ティナは人を疑う事を知らないのか、明らかに不審な俺の態度も意に介さず。
先程寄ったコンビニの袋から、ドリンクを取り出して。
「気温が上がってきたみたいだし、飲み物飲んだ方がいいわよ。はい」
また綺麗に笑ってくれたので、俺はぎこちない動作でそれを受け取るだけだった。
「……すまん」
「いいえ、どういたしまして」
不愛想な俺の返答にも、全く動じずに笑顔で返し、彼女はまた窓の外を眺める。
ただ飲み物を渡して貰えた、それだけの事だというのに。
(……本当に、夢じゃないんだな……)
こんなに近くで、その姿を見ていられる僥倖に。
心から、感謝したい気持ちだった。


   *


(……本当に、どこの中学生なんだよ、スコール……)
僕はハンドルを握りつつも、あまりの従弟の態度に苦笑を堪えっぱなし。
無駄に見た目だけは女たらしにも係わらず、中身が筋金入りの奥手な彼が、少しでも意中の少女に近づけるように。
かなり無茶な作戦に打って出たのだから、少しは努力してよ!と発破をかけてやりたくなる。
だけど、単に車で隣に座ってるだけで無意識に満足しきった微笑なんてしてる、そんな姿を見てしまえば。
そんな事するだけ無駄、もとい、そんな事したら更に厄介な事になるだけだと、結果は火を見るよりも明らかで。
(とりあえず、明日はローザも合流するから彼女も仲間に引き入れて、っと)
やっぱり僕は頭の中で次の計画を練りつつも、安全運転を心がけるのだった。

拍手

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
◆ 無題
ティナちゃん、優しいですね。
スコールの事を気遣ってくれたり、セシルの言葉に答える彼女はすごく良いです。
私ならスコールに「少しはティナを見習いなさい!」って言いたいですね。
かなり背が違うんですけど…この先は大丈夫なんでしょうか?
ティファ・ロックハート 2009/07/21(Tue)21:17:28 編集
コメントありがとうございました
この連作の中では、スコールはひたすら奥手道を走らせてます(ヒドイ)。
そしてティナもまた、天然でいてもらおうと思っています。
よって、彼女はスコールに優しくしてはいますが、特別な感情はまだ一切抱いていないと申しますか、自覚していません(爆)。
しかしこのペースですと、晴れて両思いになる日が来るのか不安です。
身長差についてですが、別に恋愛には全く支障はないかと思いますよ。
シスターM  【2009/07/21 22:07】
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
07 2019/08 09
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新トラックバック
プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Copyright ©  違うところの夢を語る。 All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]