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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/04/19 (Fri) 12:51
Posted by シスターM
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こんばんは、管理人です。…や、やっと最後だ…<勝手に更新強化
無謀かつ長い道のりでございましたが、幸いにもお客様たちからとても良い反応をいただけました。
丁寧なコメントまでお送りくださった方もいらして、本当にありがとうございました。

夢想な彼に関しては、さんざん考えました結果…あれ?という出来に(汗)
今回は、影の部分は全く登場しておりませんので、ご了承くださいませ。
何せ現代パラレルですから(苦笑)
捏造設定の嵐なのは、通常の仕様です。

本作品は現代パラレル設定となっております。苦手なお客様は、閲覧をご遠慮ください。

毎週火曜日、午後3時。
今日も扉が開く時刻。

 

『常連さんとわたし。』

 

兄の経営するケーキショップの、毎週決まった時間に来てくれる常連さん。
その時間は偶然にも、私が販売員としてお店に立っている時間だから。
気さくな彼に声をかけられ、会話をするのが習慣づいていた。
「いらっしゃいませ」
「あ、ティナ!ちわっス!」
かららん、と耳馴染み良い音を立てて開く扉に、声をかけると。
元気そのものの声と一緒に、私にかけられる明るい声。
「いらっしゃいませ、ティーダ。今日は何にしましょうか?」
私も務めてにこやかに返すと、彼は笑顔のままでカウンターへとやって来た。
見るからに楽しげな様子でショーケースを覗き込むと、早速歓声を上げる。
「そうっスねー……うわ、これ新作?美味そうっスよ」
「うふふ、さすが見つけるのが早いわね。夏も近いから、柑橘系のケーキを増やしたのよ」
「去年食ったオレンジのムース、俺超好きっスよ!もう少しで出るかな?」
目をきらきらと輝かせ、うちのケーキの魅力を語ってくれるのが、嬉しいと思う。
そんな彼、ティーダは世間様にも名の通ったアスリート。
お父さんのジェクトさんと並んで、総合格闘技界で活躍してる。
見るからにパワーファイターのお父さんと違い、彼はスピードを生かしフットワークで相手を翻弄する戦法。
その異なるファイトスタイルや、人好きのする笑顔が人気を呼んで、彼の出場する大会はどこも超満員。
「一度観においでよ!」と声をかけて貰えるのは有難いけれど、生憎と人の多い場所が苦手な私。
いつも「人酔いしてしまうので、ごめんなさい」とお断りし、専らテレビで観戦させて貰っているのだ。


そんな彼が、たまたま昨年の春に開店間もなかったうちの店に立ち寄ったのが、知り合ったきっかけ。
──その時彼はお父さんと、それからチーフトレーナーのアーロンさんと、3人で来店して。
唐突に「超美味そう!」と大騒ぎを始め、更には常識外れのオーダー。
「すまんが、棚の商品全種類をひとつずつ、あの2人にイートインで。俺はコーヒーを。あいつらは水でいい」
え、全種類!?と思わず心の中で聞き返したけれど。
それでも私は全種類のケーキを、大きなホールケーキ用のトレイに乗せ。
イートイン用のドリンクスペースで、コーヒーとお水の準備をした。
コーヒーの横に申し訳程度のクッキーを添えて立ち去ると、イートインから今度は歓声。
「うっめー!やっぱ俺の勘は間違いなかったっスよ、ここのケーキ超うめーっス!」
「だから騒ぐなっつーの、お前は!……しかしよ、真面目にこのケーキは美味いなあ」
「お前ら……静かに味わって食えないのか……」
物凄い勢いでケーキをかっ込む男性二人の横で、静かにコーヒーを嗜む男性。
あの後、お三方とは思えない金額のお支払を現金で済ませて行ったアーロンさんが。
「ありがとう、コーヒーもいい味だった。また来ても構わんか?」
存外優しく言ってくれたので、私もつい嬉しくなって。
「是非いらして下さい!まだまだ開店間もないので、お客様は大歓迎なんです」
笑顔で答えたのが、どんな印象を与えたのか。
程なく主にアーロンさんが1人で来店し、時にはジェクトさんやティーダも1人で来店して。
テイクアウトを大量に、注文するようになっていた。
どんな職業に就いている方なんだろう、と疑問を感じ始めていた頃。
私や兄が正解を知ったのは、某テレビ局の取材というものが、初めてお店に来る事になった日。
「最近人気急上昇中のティーダさんが、お気に入りのスイーツだと聞いたんですよ!是非放映させて下さい」
熱っぽい調子で訴えかけてくるスタッ不さんに、私も兄・フリオニールもひたすら当惑するばかりで。
「……あの、ティーダさん、ってどなたですか?」
兄の質問に対して、相手は大層驚いた様子で。
「この方ですよ!」
「「……あ!」」
総合格闘技の雑誌の表紙を飾っていた彼を見せてくれて、初めてその正体を知ったのだ。


結果として、テレビ出演がやたらと評判を呼んでしまい、うちのお店はその後驚く程に繁盛して。
今ではデパートからの出店依頼を受けるまでになっているのは、本当のお話。
正直なところ、私がカウンターに立たなくても、店員さんは他にもいるのだけれど。
(私がティーダとお話できるのは、この時間だけなんだもの)
心の中に秘めた思いを隠しつつ、火曜の午後は大抵お店を手伝っている。
「じゃあさティナ、今日はこの新作と、あとプリンも!それからアイスティーね。んで、イートインっス」
「かしこまりました。ではあちらでお待ち下さいね」
弾んだ声で彼がオーダーを告げるのに、負けないぐらい弾んだ声で答えて。
私は、アイスティーの準備を始めた。
(また大声で「美味い」って言ってくれるのかしら?)
彼が満面の笑みで、兄のケーキを食べてくれるのが嬉しい。
それから、私が淹れたお茶を飲んでくれるのも嬉しい。
ティーダに会えると、元気をたくさん貰える気がして私も元気になれるから。
やっぱり来週も、私はお店のカウンターに入る。


   *


──本当は、ティーダがわざわざ私がいそうな日を狙って来ていた、とか。
体調管理を厳しくしている中、うちのケーキを食べるためにカロリーコントロールまでしてくれてた、とか。

そんな事実を、私が知るのは、もっともっと先のお話。

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シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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