忍者ブログ
Admin / Write / Res
勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
[63]  [62]  [61]  [60]  [59]  [58]  [57]  [56]  [55]  [54]  [53
[PR]
2024/04/19 (Fri) 19:17
Posted by シスターM
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

カテゴリ変更後、これも少なかったことに気付いた10×6。
実際にはこのカップリング、10に彼女がいる分お望みの方も多くないかもしれません。
私が書くときも、×より+の要素が大きい印象です。

夢想の彼は、明るい仮面で自分の辛さを最後まで隠し通した強い人。
だからこそ彼の笑顔は綺麗だと思うし、少女も憧れるのではないか、と。
……ええ、勿論管理人の妄想でございます、すみません(涙)

昔知ってた、ファンの子たちとも。
一緒に戦ってた、仲間たちとも。
全然違う、女の子。

いつも、揺れて。
いつも、悩んで。
いつも、俯いて。

どうして?
君はそんなに、素敵なのに。

 

 『スマイル』

 

「ティーダが、羨ましい」
「へ?」
言われた言葉に、何で、と思わず首を傾げた。

珍しい組み合わせってのも、たまにはあって。
と言うか、オニオンがティナと一緒じゃないってのが珍しいのか。
聞けば「たまにはティナ離れしろ」という、見当違いなウォーリアの一声で。
目に涙を溜めたまま、スコールたちに引き摺られていったらしい。
……気の毒。
(でもそのおかげで、こっちは棚ボタっすねー)
やってることはいつもと一緒で、周囲の探索なんだけど。
隣を歩くのが、綺麗だけど男のセシルやのばらと違って、ちゃんと女の子のティナとなれば。
テンションだって上昇するってものだから、うっかり鼻歌まで飛び出す始末で。
気がつけば、隣のティナがこっちを見て少しだけ笑ってた。

で、冒頭の台詞に戻るんだけど。
ティナは、それ程表情の変化が豊かなわけじゃない。
どうやらそれは、人付き合いが苦手っつーか、慣れてないらしいんだけど。
そんなもんは、これからおいおい慣らしていけばいいだけの話で。
実際に、俺やバッツやジタンが馬鹿騒ぎしてたりする時は、その傍らで目を細めてたりもする。
最初に比べて緊張しっ放しの表情も、ずいぶんと緩んできたみたいで。
今してるような、ほわんとした雰囲気の笑顔も随分増えてきた。
(うん、いい傾向、いい傾向)
……って、今はそんな話じゃないな。
「ティナ。どうしてそんな事、言うんスか?」
俺は理由がわからなくて、とりあえず尋ねてみると。
彼女はえーと、と一瞬間を置いてから。
「あのね。とっても素敵に、笑ってるから」

「へ?」
ちょっと意外な言葉に、一瞬硬直してしまったが。
ティナは頷くと、歌うように言葉を紡いだ。
「お日様みたいな温かさとね、優しさがあるの。ずっと見ていたいな、って思うの」
「そう、っスか……」
柔らかく微笑むティナの言葉には、絶対嘘はないんだろう。
しかし、そんな正面切って、自分の笑顔なんつーもんを褒められた経験なぞ、ほとんどなく。
その結果は、急激な体温の上昇。
つまりは、傍目にもわかるぐらいに真っ赤になってるって事で。
(………うおぉぉぉ、ヤベぇっスっ!カッコ悪い、俺!)
ジタン辺りがいたら指さして笑われちまいそうな程、うろたえた。
───隣のティナに「大丈夫?体調が良くないのかしら」とマジで心配される程に。

 


「俺は、ティナの笑顔も、素敵だと思うっスよ」
何とか気分を落ち着けた俺は、ティナに向かって思った事を言ってみた。
するとティナは、何故か怪訝そうな表情で俯く。
「そんな事、ないわ」
「何で?」
「私は駄目。経験が少ないから仕方ないのかもしれないけれど、上手に笑えないから」
節目がちに寂しそうな表情で、呟くその様子だって、元がいいだけに十分綺麗なんだけど。
ティナはいつも考えて、気にして、悩んで、前を見ない。
(………)
俺は一度、両手をぎゅっと握り締めてから。
ティナの両肩を掴んで、こっちを向かせた。

「な、何?」
面食らった顔のティナに、俺はにっこりと笑顔を作って見せる。
「ティナ、ティナは考え過ぎっスよ!」
「え?」
「俺は頭悪いから、いい顔を心がけて笑ってんじゃなくて、自然にそう見える馬鹿っぽい顔になっちまうだけ。ティナ

はなまじ頭良くて考えちまうから、笑う時にも考えちまうんスよ」
「………」
強引な俺の言葉にどう返したら良いものか、と戸惑っている様子のティナ。
でも俺は、ここぞとばかりに畳み掛ける。
「考える必要なんてないっス。ティナはちゃんと、ティナらしく、とっても綺麗な笑顔、持ってんスから」
「そう、かしら」
「この俺が保証するっスよ!」
まだ迷う調子のティナに、俺は必要以上に胸を逸らして、片手でぼん、と叩いて見せると。
ティナは少しだけ瞬きしてから、俺の方に向き直って。

「ティーダ。やっぱりあなたの笑顔、とても素敵ね。ありがとう」

(……うわっ!?)
直視していた俺が、思わず顔が真っ赤に染まってしまいそうな程。
すっごく綺麗に、笑ってくれた。


   *

 


やっぱり君は、誰より素敵。
だから、もっと、笑おうよ。
一緒に。

拍手

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新トラックバック
プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Copyright ©  違うところの夢を語る。 All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]