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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/04/19 (Fri) 15:37
Posted by シスターM
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最近無性にDD関係の小噺を書いておりますが、そのためかご訪問下さる方の数が物凄いです。
カウンタもよく廻ってます、ありがとうございます。
ご感想等ありましたら、是非コメントか拍手でお知らせいただけますと、幸いです。

もうすぐ3月、ということで、桃の花から1作捻ってみようと思いました。
しかし、桃の開花時期は4月(爆)断念しました。
梅・桃・桜辺りでどれを当てはめていただいても、読めるような気がしております。

甘い香りと、華やかな姿。
まるで、君の笑顔にも似て。

 

 『ハナビラ』

 

ふわり。
鼻を掠めて去っていく、風に乗って。
(……何の香りだ?)
嗅ぎ慣れていない甘い香りに、誘われるように歩き出す。
目の前に広がる森の、下草を踏みしめて。
言うまでもなく、周囲への警戒は、怠らずに。
通常なら単独では踏み込まないような地域まで、歩みを止めなかったのは。
子供染みた、好奇心。
「……こいつ、か」
開けた視界に入ってきたのは、初めて目にする見事な枝ぶりの樹木。
淡い紅色とでもいうのか、小振りの花が枝中に広がり、葉は見当たらない。
近付くごとに濃さを増す香りは、決して不快なものではなく、むしろ逆で。
艶やかに咲き誇る姿を、しばし楽しむ。
(名は知らないが、綺麗な花だ)
唐突に思い浮かんだのは、共に戦う仲間たちの紅一点。
ちょうど、この花のように愛らしい。
「連れてきたら、喜ぶ……な、きっと」
自分らしくもない台詞が口をついて出た事に、苦笑いして。

 

 

思ったとおり、誘ってみれば素直に頷いて。
ティナは上機嫌で、俺の横に並んで歩く。
「そんなに嬉しいのか」
「ええ、とても嬉しいの。ありがとう、クラウド」
俺の質問に答える際の笑顔は、大分硬さも取れてきていて。
ティーダやバッツ、ジタン辺りからいい影響を受けているのかと、何となく嬉しくなる。
願わくば、声を立てて大笑いでもできるぐらいに、感情表現が豊かになればいい。
幼い頃から心の成長を止められていた、無垢すぎるが故に傷つきやすい、少女を見る度に思うこと。
多弁な方でない自分と話す際であっても、勿論彼女は嬉しそうにしてくれているが。
喜怒哀楽の表現が素直な奴らと共に過ごす事で、自然と学べる事は多い筈なのだから。
そんな事を考えつつ歩いていると、目指していた木へと辿り着き。
「わあ……!」
ティナから、珍しく歓声が漏れる。
素直な感動を表現する姿に、自分の表情も綻ぶのを自覚した。


「本当に、綺麗だわ、とても」
「気に入ったか?好きなだけ眺めるといい、時間は十分にある」
「いいの?……ごめんなさい」
「ティナ、こういう時に謝罪は不要だ」
相変わらず他を優先させ、気を配り過ぎる程に他を気遣う彼女に、諭すように言うと。
彼女は逡巡してから、はにかんだような笑みで告げた。
「うん。ありがとう、クラウド」
「……それでいい」
俺は静かに、頷いた。
するとティナは時には立ち上がり、時には地面へ腰を下ろし、たまに空中へ浮かんで。
飽くことなく、薄紅の花々を眺める。
俺はそんな彼女の姿を目で追いつつ、周囲の監視を怠らないよう気をつけていた。
ふと、ティナが俺の方へ駆け寄ってきて。
「あの、クラウド、そろそろ、ご飯、食べる?お弁当、持って来たの」
確かに彼女は荷物を持参していたが、思いも拠らぬ提案で。
俺が無言で頷く事で即答すると、安堵したような笑顔が広がった。


   *


春の日の、甘いひと時。

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HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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