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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/03/19 (Tue) 20:38
Posted by シスターM
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こんばんは、再度登場管理人です。
明日は子どもの小学校で花壇の作業…うおぉ<超インドア派(≒引き篭もり)の叫び

一応テーマは6月ということで「雨」。そのまんまですよね(苦)
それにしても異名が「夢想」っていう点からも、彼は底抜けに明るいキャラでは書けませぬ。
ファンの方には本当に申し訳ない限りです。

雨は、好きじゃない。
そう言ったら、君がどうして、と首を傾げた。

 

『レインドロップ』

 

朝から激しい雨が降って、鍛錬やら探索やらは全て中止。
「休養に充てる事としよう。私も武具の手入れがしたい」
リーダー役のウォーリアの発言は尤もで、皆異を唱える筈もない。
ただでさえ得物が多いのばらとか、重鎧装備のルーネスやセシル、メンテが面倒なガンブレード装備のスコール。
結構メンテナンスが大変な武器やら防具やらを使う仲間が多いのだから、歓迎されるのは当然だろう。
(でも、俺は暇っスよ……)
他の奴らの武器と違って、自分の武器はそんなに手をかける必要はなかった、筈で。
俺は早々に作業を終えてしまったので、作業に手間隙かけまくってるのばらに内緒で朝食の片付けをバトンタッチ。
久々の台所仕事も、案外体が覚えてるのか、ちょちょいのちょいと片してしまう。
「さーて、と。どーすっかなあ」
「………ティーダ?」
唐突に声をかけられて振り返ると、こっちを見て目を丸くしてる、うちの紅一点。
「れ、ティナ、どったんスか?」
「あの、そろそろお茶の時間だろうと思って」
お手伝いに来たの、と近付いて来ると、ティナは目を輝かせて。
「今日はティーダがお片づけしてくれたのね?すごいわ」
「え、や、いやぁ、んな事ないっスよ」
手を叩いてまで褒めてくれるのが、とてつもなく面映い……が悪い気はしない。
むしろ、彼女とツーショットで会話できている幸運に、心の中でガッツポーズ。
ふと視線を感じて、ティナの方を向くと、彼女が上目遣いでこっちを見上げてくる。
「どうしたんスか?」
「……ええ。あの、ティーダ、今までお仕事してくれた所申し訳ないんだけれど、お手伝い頼める?」
首を傾げる様子が物凄く可愛らしくて、ああもう何でも言う事聞きます!って心の中で叫びつつ。
俺は普通を装って、頷いた。
「別にいいっスよ」
「本当?ありがとう」
ティナの笑顔を見て、やっぱり今日の俺、超ラッキー!と、心はシュートを決めたような歓喜に包まれた。


ティナが作ってくれたのは、ミルクレープっていう名前のお菓子。
俺は彼女に指示されるまま果物を切ったりジャムを塗ったり、結構楽しく作業をしてた、と思う。
「すげ、ケーキみたいっスねー」
「私もフリオニールから教わったの。材料は少なくていいし、簡単に作れるから便利だ、って」
フライパンで焼いただけには見えないでしょ?とティナが楽しそうに言うのに、激しく同意。
大きいのを10等分し、紅茶と一緒にティナと手分けして、それぞれが作業してる場所までデリバリー。
感謝されたり(主にティナ)、驚愕されたり(全部俺)、色々あったけれど全部配り終えてから。
俺とティナは、食堂の片隅のテーブルに向かい合わせてティータイム。
「……美味い!超美味いっスよ、ティナ」
「ありがとう、ティーダ」
紅茶の香りと甘いお菓子と、向かいにいるのは可愛い娘。
ああ、マジ幸せだよな俺、なんて顔がにやけてくるのは仕方ない。
そのまま色んな話をしてた時、ふとティナが窓の外を見遣って、呟く。
「雨、止まないわね」
雨。
あめ。
「……うん」
頷いた俺は、無意識に表情を厳しくしてしまったのだろう。
「どうしたの?」
ティナが気遣わしげに、こちらを見つめる視線が苦しいと思った。
「雨は、嫌いなんス」
「どうして?」
「……ひとりぼっちの、気分がするから」


思い出すのは、自分の部屋の窓から見える四角い空。
部屋でひとりで遊んでて、居間には珍しくオヤジとオフクロが揃ってて。
オヤジが一応「構ってやらねえでいいのか」何て言ってるのに、オフクロが「大丈夫」なんて軽い調子。
同じ空間の中にいた筈なのに、俺だけが切り離された、ひとりぼっちで。
止まない雨の音だけが、俺を包んでた。
あれは、いつの頃だった?
「………………」
柄にもなく思い切り気分が滅入って、空を眺めて溜息ひとつ。
そのとき。
「ティーダ」
静かなティナの声と、手に感じる温もり。
テーブルの上に視線を戻すと、カップを持った俺の手を包む、ティナの小さな手。
「ティナ?」
訊ねる俺に、彼女はなおも静かに告げる。
「ひとりじゃないわ」
「え」
「大丈夫。今のあなた、ひとりじゃない。みんなも、私も、いるわ」
きゅ、と俺の手を包む力が強まって。
ね、と微笑みかけてくれるティナの表情は、いつもより大人びていて、まるで。
「……そっス、ね……」
ありがとう、と俺は小声で囁いて、逆の手をティナの手に重ねると。
彼女は静かに頷いて、少しだけ笑みを深めていた。

 

   *

 

あの日、自分が得られなかった幸せとは、違うけれど。
代わりに彼女の優しさが、こうして包んでくれるなら。
雨の日も、そう嫌じゃないと思えるかもしれない。

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◆ レインドロップ
どもっ、何度かこの小説を読みに来ているティファです。
面白いですね、ティダティナ。
私の場合、2人は兄妹に見えます。
2人は、お熱いですね。
引き続き 宜しくお願いします!
ティファ・ロックハート 2009/06/17(Wed)06:41:54 編集
◆ ありがとうございました!
>ティファ・ロックハート様
いらっしゃいませ!
この度は拙文へのコメント、ありがとうございます。
ティダティナは兄妹に見えるってお話、ナルホドと思いました。
この2人、男女愛より家族愛とか友愛とかの方が、馴染みがよいかもしれませんね。
いつかそういったムードの作品も書いてみたいと思いました。

よろしければ、是非またお越し下さいませ!
シスターM@管理人 2009/06/17(Wed)22:27:00 編集
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シスターM
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女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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