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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/04/19 (Fri) 11:21
Posted by シスターM
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※ 本創作は、白眉さまのみお持ち帰り可とさせていただきます。
   よろしくご了承願います。


度々のご無沙汰をお詫びせねばならない管理人です、こんばんは。

まずは、先月唐突に開催しましたキリ番「8888」について、漸く文章をアップできます。
えー、「FF6の世界での7×6の邂逅」という内容で承っていたのですが…。これを書こうとすると、どうしても以前と同じようなネタになってしまいました(涙)
最近創作をしていないためなのか、何より管理人のトホホな作文能力がイカンのか。
イヤ、両方なんですけれどね…。
せっかくキリ番ご報告してくださったというのに、白眉さま申し訳ありません。
それから、この場で失礼しますが、先日拍手にて温かいお言葉もいただき、ありがとうございました。
ご期待に添えない駄文ではございますが、とりあえずお納めいただけますように。

空を見上げて、思い出す蒼が、変わった。

初めて私を助けてくれた、鮮やかな青ではなくて。
そっと見守り助けてくれた、優しい蒼。

 

 『あなたへ。』

 

神々が争う世界。
異なる場所から召還された仲間たちと、因縁の相手たち。
二度と取りたくなかった剣。
失ったはずの魔導の力。
再びこの手にしたとき、私の表情は歪んでいたに違いない。
また、繰り返したくなかった。
もう誰も、傷つけたくはなかった。
でも、私はまた傷つけて、迷った。

助けてくれたのは、あの、蒼。
彼自身も迷いながら、悩みながら、それでも私を支えてくれた。
だから私は、手に入れる事ができた。
守りたい未来。
大切な仲間。
負けない心。

そして、この、気持ち。


   *


戦いが終わって、皆それぞれの世界へと戻った。
ひとりひとりと別れを惜しむ間も与えられず、ただ空気に溶け込むように運ばれて。

希望を取り戻した私の世界は、少しずつだけれど確実に再生の道を歩んでいた。
暇を見つけては散歩に出て、生命の息吹を感じる。
今まで袖を通す事がなかった、軽い生地のワンピースにストールを羽織って。
結う事をやめた髪が、時折風に遊ばれる感覚が好き。
手頃な大きさの岩に腰掛け、呟いてみる。
「みんな、元気……?」
真っ先に脳裏に浮かぶのは、この世界の仲間たちではなく、異なる世界で巡り会った彼ら。
声を届ける手段などないのは知っているけれど、いつか届くような気がして。
「きっと、元気だよね。私も、大丈夫だよ」
ひとりひとりに語りかけるように囁き、思い浮かべる全員の顔。
そして最後に思い出すのは、必ずたったひとり。

見上げる空は、青い。
あの人の瞳のような、蒼。
(元気だよ、ね。クラウド)
声には出さずに、心の中で呼びかけた。

初めて抱いた、感情だった。
声を聞ければ嬉しくて、姿を見たら顔が綻んで。
自分で制御できない感情に戸惑ったけれど、決して不快じゃなかった。
端整な顔やきらきら輝く髪、大剣を振るう姿も。
たまに見る事ができる、灯火のような淡い笑みも全部、覚えてる。
戦いが終われば、二度と逢えなくなるのがわかっていたから、ひたすらに見つめていた。
いつまでも傍にいることはできないなら、せめて覚えていたくて。

(……でも、逢いたい……)

我侭でしかない願い事を、もう幾度繰り返したのか、わからない。
けれど、優しい蒼をもう一度、見つめたくて。

見上げていた蒼が、滲んだ。

 


「何を、泣いてる?」

 


耳に届くのは、優しい声。
背中に感じ取るのは、温かい鼓動。
「どうしたんだ?ティナ」
私をふわりと抱き締める、逞しい腕。
記憶の中のかたちと、そっくり同じグローブ。
「ティナ。泣くな、ティナ」
クラウドが静かな声で繰り返すのは、私の名前で。
私の手を包んでくれるのは、彼の大きな手。
ああ、でも、どうして?
「……っ」
「ティナ?」
止まらない雫が、溢れて。
嗚咽を堪えるために、ぎゅっと唇を噛み締める。

だって、あなたがここにいる事が、信じられなくて。
ここにいる理由とか、こんな所まで来た理由とか、尋ねたい事だらけで。
でも、私は自分でも呆れる程、精神が混乱していて。
「ど、う、して?」
震えて詰まる声が問う意味を、彼は正しく理解してくれたみたいで。
私を抱き締めたまま、囁いてくれる。
「ここに来る事ができた理由はわからない。だがきっと、俺が願ったからだろう」
「願った、の?」
「ああ。俺はあんたに……ティナに、逢いたかった」
クラウドの腕の力が、ふっと緩んだかと思ったら、体の向きを変えられて。
彼の指で涙を拭われ鮮明になった視界には、穏やかに微笑む姿。
私の唇を、彼の指が優しくなぞって。

夢じゃない。
あなたの温もりが、ここに。
「クラ、ウド」
「ん?」
「私、逢いたかった」
また、視界が涙でぼやける。
「本当に、逢いたかったの、クラウド……クラウド!」
自分にできる精一杯の力で彼にしがみつき、広い胸に顔を埋める。
同時にきつく抱き締められて、隙間なんてない程に、ふたりの体がぴったりと合わさる。
ずっとこうしていたいと思う程に、溶け合う体温が心地良い。
「……ティナ」
しばらく経って、私を抱き締めたまま、クラウドが静かに問いかけて来る。
「なあに?」
顔を上げると、彼は柔らかく微笑んだまま、私の額をそうっと撫でて。
「印象が変わったな。何というか、綺麗になった」
「そう、かしら」
「ああ。あの世界での服も悪くはなかったが、今の格好も似合ってる」
そう言うと、薄い唇を私の額へ押し当てて、短く付け足した。

「これからは絶対に、ひとりにはしない。俺がずっと、傍にいるから」


   *


空よりも、誰よりも、一番近くにいてくれるあなたへ。

私も、あなたと一緒にいたい。
だから。
だからお願い、傍にいさせて。

ずっと、ずっと、離さないで。

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◆ 無題
ティナー、クラウドがせっかく来てくれたのにその言い方はないでしょ!っと思いながら読ませて頂きました。
何故彼女は突然、泣いたのでしょうか?
クラウドに会いたいと思い、再会したら支えられる。
優しいですね、クラウドは。
クラティナも良いですが、私的に正式なカップルはフリティナですね。
ホワイトデー用に作ったルーネスを褒めた後、自分も教えて貰うというとこで好きになりました。
頑張って下さい!
ティファ・ロックハート 2009/06/20(Sat)17:33:44 編集
コメントありがとうございました
ティナの台詞と態度は、クラウドとの思いがけない再会によって気が動転していたため、ということでご理解ください。
クラウドをお褒めいただき、嬉しく思います。
どうもありがとうございました。
シスターM  【2009/06/21 23:35】
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シスターM
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女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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