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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/03/28 (Thu) 17:35
Posted by シスターM
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こ、こんばんは、管理人です。
むっちゃギリギリになってしまいましたが、ホワイトデー的創作です…。
獅子が無茶苦茶暴走しちゃいまして(汗)実は書き直し3回目。
更に8×6をご期待のお客様、完全に駄目でした。うちの獅子、片恋です。
何だろうこの子ったら(涙)<管理人の頭が悪いだけ(爆)

伝えられない想いの分だけ、抱き締めた。

 

 『モノポリィ』

 

示されたのは、親愛の情。
気付いているのは、自分ではない相手への視線。
……そして、相手も。

本来であれば、他人の色恋沙汰などに興味など沸かないのに。
どうしても目で追ってしまう、アッシュブロンドのポニーテール。
その先には大抵、あいつがいて。
(あんたはやはり、気に掛けているのか)
髪は自分と違う色彩ながら、よく似た印象を覚える、あの男が。
少女に対してだけは、別人であるかのように気遣う様子を見せるのが。
無性に。
(……)
無意識に握った手のグローブが、鈍く音を立てた。

 


「ティナ」
「スコール。何かご用?」
「……これを、あんたに」
何気ない風を装って、手渡した小さな袋を見て、首を傾げる女。
どう見ても自分より年上には思えない程、純粋で正直な心根の持ち主。
白く小さな両掌に袋を乗せ眺めてから、密やかに微笑む。
「ありがとう。開けても、いいのかしら」
「ああ」
俺の了承に、目を輝かせて。
丁寧に封を開く姿は、好奇心旺盛な幼子のようでもあり。
特殊な環境で生きてきたが故の、年よりも幼い精神は、哀れでもあるが。
ただ『美しい』と、それだけを感じる。

「わあ……綺麗」
歓声を上げた少女の視線の先には、淡く輝くサテンリボン。
彼女の青い瞳に似ていて、きっと似合うと思ったから。
「ありがとう、スコール。でも、どうして?」
贈り物の意味を尋ねる様に、浮かぶのは苦笑いで。
「ホワイトデー、だろう?」
そのまま答えると、彼女は目を瞬かせてから、頷く。
「そうだったわね。でも、意外だったわ。あなたまで贈り物をくれるなんて」
「先月の礼だ」
「うふふ、みんな優しいのね」
ティナは微笑みを浮かべ、手元のリボンを眺めていた。

表情が乏しいのは、幼い頃から特殊な生活を強いられたためだと、ぽつりと零した事がある。
未だに詳細を語りたがらないが、それは決して仲間を信じていないのではなく、自分を信じていないから。
ともすれば自分を恐れ、容赦なく切り捨てようとさえする、あまりに無垢で悲しい魂が。
豊かな表情を取り戻せるように、と願いつつも、その術は知らない。
だから、こんな折、少しでも。
笑顔を浮かべてくれたのならば、それが嬉しくて。
「気に入ったのなら、今つけてみるといい」
自分らしくもない言葉を口にしてしまうのは、浮かれているせいなのかもしれない。
「そうね。あ、でも、今手鏡が」
きょろきょろと辺りを見回す可愛らしい仕草に、つい思い立って。
「そっちを向け」
「え?」
「……俺が、やる」

普段から使っているリボンを、彼女が自分の手で解くと、細めの紐らしき物で一纏めにされた状態の髪。
そこへリボンを結ぶ作業は、さすがに俺にも容易にできて。
力加減に注意しつつ、何とか形を整えてから。
ふと視線を下に下げて、目に付いたのは、白い項。
(……!)
日頃から見慣れている筈だったのに、こんな至近距離で見てしまって、途端に早鐘を打つ心臓。
残雪のような白い肌に、触れてみたいと思ったのは、気のせいではなくて。
「……え、と、スコール?あの、!?」
恐らくは「そろそろできたか」といった調子で、様子を確認するつもりだったのだろうけれど。
俺はティナの言葉に答える術を持たず、彼女もまた最後まで言葉を言うことはできなかった。

背中から両腕を回し、抱き締めたのは、どんな衝動に駆られてか。

腕の中で硬直するティナの肢体は、女性特有の柔らかさ。
気が動転しながらも、俺を拒絶せずにいるのは、どういった心理だろうか。
アッシュブロンドに顔を埋め、花にも似た彼女の香を嗅ぎ、回した腕に力を込める。
このままで、いられたならば。
「ねえ、スコール、あの、どうかしたの?」
やがて身体の力を抜き、微かに俺へ凭れかかる姿勢になったティナが、遠慮がちに声を発する。
男に抱き締められたとしても、何の他意も見出さず、相手を心配するその心の純粋さに。
同時に覚える、歓喜と安堵と……苦悩と嫉妬。
これが俺でなく『彼』であったら、あんたは。
「……ティナ」
俺は心を無理矢理に鎮めつつ、穏やかな口調を心がけ、そのままの姿勢で告げた。
「頼む。もう少しだけ、このままでいてくれ」

「……ええ」
ティナの声は、慈愛の色を帯びて。
白く小さな手が、俺の腕に添えられて。
俺はその温もりを、身体と心に刻み付けた。


   *


ただ一言が、言えなかった。
そんな臆病な、俺の体の震えは、伝わっていただろうか。

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HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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