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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/04/27 (Sat) 06:55
Posted by シスターM
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空飛ぶ青い何か。様から拝借した「戦場の大地10のお題」。
2作目にのばら氏を置いてみました。
私の持つ彼のイメージに基づいて書いてしまったので、皆様ちょっと…大丈夫でしょうか。

2 大地に帰ることも出来ずに

険しい瞳で、彼が見つめるその先には。
壊れた、模倣の戦士。


   *


フリオニールと共に探索に出た帰り、遭遇した多数のイミテーション。
多数が群れている場合、個々の能力地は低いのが通例だが、数が多いのは厄介で。
「私が上に行くわ」
「頼む」
互いに示し合わせて私が空中から、そして彼が陸上で応戦し、全てを一掃。
「全部倒した、わね」
私が地上へ着地した地点へ、多数の武器を収めたフリオニールが駆け寄って来た。
「フリオニール、怪我は?」
「大丈夫だ。ティナこそ何ともなかったか?」
「ええ、ありがとう、無事よ」
応じた私に頷いてから、フリオニールはふと視線を地面へ向けた。
そこにあるのは、先程打ち倒したイミテーションの、原型を留めない程に打ち砕かれた残骸で。
「フリオニール?」
声をかけると、彼ははっとした表情になってから、苦笑い。
「……何となくだけど、やるせないよ」
「え?」
「命もない、戦うためだけに生み出されたものたち。滅びを迎えても、こんな風に残されて」
先程まで戦っていた相手に対してだけれど、その瞳には間違いなく、憐れみの色が宿る。
「大地に再び返り、新たな命を生み出す糧になる事すらできないなんて、さ」
「フリオニール……」

暴君と囁かれるあの皇帝が治める帝国へ、反逆する反乱軍の、一番の戦士。
でも、元々彼は田舎の村に住む農民で、兵士だったわけじゃないと聞いた。
だからなのか、戦いでは非情に徹する事もできるウォーリアやセシル、クラウド、スコールとは違っていて。
彼自身それは自覚しているのか、自分の精神の弱さを反省している、と教えてくれた事があった。
(「でも、それは彼の弱さではない」……)
私にそう教えてくれたのは、セシル。
『フリオニールの戦う意思は、僕たち以上に強いよ。自分で選んだ道なんだからね』と、セシルは言った。
その言葉の意味を理解できるのは、彼と行動を共にする機会のある、こんな時。
戦いを続ける道を自ら選び取ったが故に、戦う事の苦悩を知っているが故に、彼は敵を憐れむ。
例え、命なきものであったとしても。
「……フリオニール」
「ん?」
残骸を見つめていたフリオニールへ、私は言った。
「必ず、この戦いを終わらせましょう。こんな悲しいものたちが、これ以上増えないように」

「……ああ、そうだな。必ず」
彼は静かに頷いて、微笑んだ。


   *


戦いは美しくなどなくて、ただ醜く苦しいもの。
哀れな犠牲を、無数に生み出すもの。

だから、終わらせよう。
 

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シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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