忍者ブログ
Admin / Write / Res
勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
[265]  [264]  [263]  [262]  [261]  [260]  [259]  [258]  [257]  [256]  [255
[PR]
2024/04/25 (Thu) 02:32
Posted by シスターM
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

御無沙汰してました、管理人です。
今回は久々の、86現代パラレルをアップしてみます。
76もですが、このふたりも告白だの何だのを完全にスルーしてますね、拙宅は(汗)。
いつかはちゃんと書いてみたいものです、ハイ。

貴方の声が、震えていた。

 

『逢いたい。』

 

期末テストで、お互い勉強が忙しくなってて。
気がつけば、一週間が過ぎていた。
日課のような遣り取りだったメールも、途絶えていて。
脇目も振らずに努力してたのか、なんて思う。
でも、今日でテストも終わりだから、と。

『件名:お疲れ様

 ようやく解放されたね。
 落ち着いたら、連絡してね。
 ご飯でも、行きましょう。』

私よりも履修科目が多い彼なら、疲れてしまっているだろう、と。
逢いたい気持ちより、休息して欲しい気持ちが、今回勝った。

 

久々に、まともな食事を摂らないと、と思いつつスーパーへ。
週末の分も食材を買い込み、自宅へと戻った時、携帯が騒ぎ出す。
彼の好きな、Eyes On Me。
(スコール?どうしたのかしら)
慌ててバッグから携帯を取り出して、通話ボタンを押す。
「もしもし」
『もしもし、ティナか』
電話から流れ出す、落ち着いたトーンの声に、口元が綻ぶ。
「久し振りね、スコールの声聞くの」
『そうだな。俺も久し振りだ、あんたの声を聞くのは』
「お互い様ね、うふふ」
私は声をあまり立てないように笑ってから、彼へ、何かあった?と問いかけた。

すると、スコールは。
彼にしては大変珍しいのだけれど、一瞬間を置いてから。
『ティナ、これから出られるか』
「え?」
『出られなければ、俺がそっちへ行ってもいい。どうだろうか』
「え、えーと」
普段のスコールでは考えられない程の、性急な調子に、面食らうけれど。
それでも頭の中を整理してから、返答を口にする。
「あの、今から夕食の準備しようと思ってたの。良かったら、うちで一緒にどう?」
『わかった、すぐ行く』
私の誘いに対しても、躊躇わず了承するスコールの様子は、いつもと違っていて。
どうしたの?と訊ねてみると、彼はまた、一瞬間を置いてから。

『……逢いたいんだ』
「スコール?」
『あんたに、逢いたいんだ』
こんなに逢いたくなる理由なんて、わからないけれど、と。
切羽詰った調子の、必死な彼の声が、私の耳に飛び込んで来て。
私はただ、自分の胸元で拳をぎゅ、と握り締めて。
「あの、スコール、外はもう暗いから、気をつけて来てね」
『……ああ。じゃ、後で』
彼が通話を終了させてから、携帯を元に戻して、深呼吸。
自分の心臓が、不規則に高鳴るのを、自覚する。
(……変だわ。私まで、こんなに、きもちが)
スコールの必死な声を耳にして、自分の心までが、妙に高揚する。

逢える。
スコールに、逢える。

(……スコール)
優しい笑顔を瞼の裏に思い浮かべて、彼の名前を心の中で唱えると。
激しい胸の高鳴りの理由が、わかった気がした。

 

   *

 

貴方だけじゃない。
私も、貴方に、逢いたい。

拍手

PR
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新トラックバック
プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Copyright ©  違うところの夢を語る。 All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]