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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/04/27 (Sat) 14:45
Posted by シスターM
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「パラレル強化」続編の3番目、FC組最後は勿論オニオンです。
彼の扱いが微妙な事が多いと思われる拙宅で、それなりにいい感じ…じゃないかなあ(弱気)。
このカップリングがお好きなお客様、本当に申し訳ない限りです。
現代パラレル設定につき、苦手な方は閲覧をご遠慮願います。

僕は現在、15歳。
そう、俗に言う受験生って奴だ。


だけどそれ以上に、僕は今、大事な問題を抱えてる。

 


『お隣さんと、僕。』

 


小さい時からずっとずっと一緒にいてくれた、お隣の綺麗なお姉ちゃん。
それが、ティナ。
物心ついた頃からずっと彼女を見慣れてるから、正直クラスの子なんて誰も目に留まらない。
だってそうだろ?ティナ以上に綺麗な女の子なんて、世界中捜したって、いやしないから!
ふわっふわの綿菓子みたいな金髪も、宝石みたいな紫の瞳も、鈴を転がすような声も。
どんなに周囲から綺麗だって言われる子と並べたって、叶うわけなんか、ないんだ。
そんな僕の、10歳頃からの不動の目標、それが。
『将来ティナをお嫁さんに貰う』、これに尽きる。
確かに年齢差は多少あるけれど、そんなものは関係ないんだ。
だって僕には、昔からずっと、ティナだけなんだから。
それにティナだってちゃんと「待ってる」って言ってくれたんだよ?嘘じゃないんだよ!
だから僕はひたすらに、一所懸命勉強してる。
少しでも早くティナに追いつきたいから、いざとなったら飛び級ぐらいできるように。
そんな僕だけに、本当の事を言えば、高校受験なんて全く問題にならない。
(……区内の全部の高校から、推薦入学の話が来てんだものな……)
先生から「よりどりみどりだぞ、さあ選べ」と笑いながら渡された、区内の学校の資料の数々。
ただでさえ辞典まで持参させられた今日の日に、これは正直、拷問だった。


「ったく、重いよコレ…………!」
ぶちぶちと文句を言いながら、鞄を提げて歩いていた、僕の視界に入るもの。
黒っぽい乗用車の助手席にいた、あの姿は紛れもなく。
(ティナだ!)
僕は重たい鞄を振り回しつつ、家路をダッシュし始める。
ちょうど家の近くの角を曲がった所で、件の乗用車からティナがするりと降りて来た。
その扉をさり気なく開いている、男。
「ありがとう、クラウド。助かったわ」
「いや、問題ないさ」
(……っ、またアイツ……!)
僕の心がちりり、と焦げる。
現在20歳、大学生のティナと同じ学部へ進学したという、高校からの同級生クラウド。
昔から勉強が良くできたティナと同格の成績を取っている上に、周囲が大騒ぎするぐらいの美形で。
時間が合えば、大学への送迎だって笑顔ひとつで引き受けてくれるという、性格の良さまで備わってる。
認めたくはないけれど、口惜しいぐらいティナにもお似合いの、アイツ。
「……っ」
ぎゅ、と握り締めた拳が、痛い。


その時。
「まあ、ルーネス?お帰りなさい」
「久し振りだな。お帰り」
顔を上げると、ティナとクラウドが並んで僕に笑いかけてくれていて。
僕は慌てて「た、ただいま」と言うと、ふたりの傍へ駆けていく。
「本当に久し振りね、あなたに『お帰り』って言えるのは。嬉しいわ」
「そ、そうかな」
「受験を控えた中学生と、俺たち大学生であれば、なかなか時間も合わないからな」
ニッコリ笑うティナの隣で、クラウドも穏やかにそう言うと、さり気なく僕の頭に手を置いて。
「しばらく見ないうちに、随分背も伸びたな。俺もそろそろ追いつかれそうだ」
優しい瞳で、言った。
「……そ、そんな事ないさ、まだまだだよ」
「いや、本当にあっという間だぞ。お前の場合は俺より足も大きい、将来必ず俺は追い越されるだろうな」
僕の照れ隠しの回答も、彼はすっかりお見通しで。
勉強頑張れよ、と言い残してから、ティナに別れを告げて車へ乗り込む。
「試験がひと段落したら、俺の運転でどこか連れて行ってやろう。ルーネス、どこがいい」
運転席から顔を出したクラウドの、唐突なお誘いに、僕は目を丸くしたけれど。
彼は心からそう言ってくれてるんだな、と思えて「考えとくね」と笑顔で返した。


クラウドの車が走り去った後、ティナが僕を見詰め、微笑む。
「あなたが大きくなるの、楽しみだわ」
「そ、そう?」
ティナの優しい表情が嬉しいけれど苦しくて、僕は苦笑いをひとつ。
すると彼女は、ちょっとだけ屈んで、僕へ耳打ち。
『ルーネス、大丈夫よ。私、ちゃんと待ってるから』
「……!」
「じゃ、後でお菓子の差し入れ持っていくわ。またね」
真っ赤になった僕に微笑んでから、ひらりとティナは自分の家に入っていき。
一人、残された僕は。
「………不意打ちだよ、ティナ………」
にやける頬を押さえつつ、真っ赤に火照った顔をどうにか治したくて、悪戦苦闘していた。

 

   *

 

どこぞの受験の問題集より、何より厄介な、僕の問題。
それは、ただ彼女のこと。


早く、大人になりたいな。

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◆ 無題
ルーネス可愛い。
最後、ティナと離れた彼は寂しそうでしたね。
読んでましたが、生意気じゃないとこに気付きました。
彼がクラウドより高くなったら、カッコ良くなるんでしょうねきっと。
頑張って下さい!
ティファ・ロックハート 2009/07/03(Fri)18:46:49 編集
コメントありがとうございます
生意気というより、背伸びしたいお年頃、でしょうか?
この作品の中ではクラウドはあくまでもティナと友情で結ばれてます(苦笑)。
将来はきっとカッコ良くなってくれると思いますよ。
シスターM  【2009/07/03 20:03】
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シスターM
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女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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