◆ブーケ（２×６的 ２視点）

拍手お礼駄文リサイクル、その２です。

『ブーケ』

君に、似合うから。

　　　＊

真っ白いカサブランカを選んで、聞いてみると。
彼女は、ぽろぽろと涙を零した。
「どうしたんだ！？」
「……ごめんなさい」
嬉しいけれど、と彼女は呟く。
「私には似合わないわ。こんなに白くて、綺麗なお花」
「………」
悲しい過去を持っているからこそ、白い花を拒絶する様は。
痛々しくて、苦しい。

「ティナ」
俺は、彼女の肩を掴んで。
「カサブランカの花言葉は『純潔』。君にぴったりだよ」
「純潔……？」
首を傾げた彼女へ、頷いて言葉を続ける。
「穢れなく清らかな魂。どんな苦しい世界においても、最後まで諦めず頑張った、君にぴったりだ」
「……フリオニール！」
ぎゅっ、と俺に抱きついて。
子供みたいに、大声で。
彼女は、泣いた。

 

やっぱり君は、カサブランカ。
俺にとっての、最上の美。