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物語序盤の出会いのシーンを捏造してみました。
この時「彼らがくっつく!」と思い込んだ乙女達、どれだけおられるのでしょう(汗)
…ええ、勿論私も騙されたひとりでしたよ(爆)
あのタラシが…(怒)
こんなにも、華奢な肩なのに。
君はどうして、戦場に立たねばならないのか。
『紅の君へ』
敵味方問わず、彼の宮廷魔導士の意のままに、全てを壊す存在。
古の力さえ駆使できるという噂の、少女。
反乱組織の仲間内でも悪評高い存在を、勿論認識してはいたけれど。
実際に接触するまでは、その個人名など全く気にも留めていなかった。
だから、本当に驚いたんだ。
*
ナルシェの旧鉱奥深く、少女の追っ手である街のガード達を何とか撃退して。
驚く程に軽い少女を担ぎ上げ、俺は隠し扉まで辿り着いた。
少女を傍らへ下ろし、外に出てから使用するであろう装備品の点検をざっと行う。
最小限度に照度を落としたカンテラを、改めて少女に向けて。
悪名高き戦歴とは、あまりにかけ離れたその外見に、驚愕した。
(……この、少女が!?)
声を上げなかったのは、我ながら立派だったろう。
静かに寝息を立てていた少女は、見たこともないような美少女だった。
ひとつに結われた淡い色合いの髪は、ふわりと広がり少女の輪郭を縁取って。
暗がりでもわかる、残雪の白さを宿す肌には、驚く程に傷がない。
長い睫毛は緩くカールし、ほんのり色づいた唇は緩く閉じられて。
華奢な体躯を覆う鮮やかな色の軍服には、違和感すら覚えた。
きっと10人に尋ねれば、全員が口を揃えて「綺麗だ」と少女を褒めることだろう。
女好きで目の肥えた友人ですら、世辞抜きでそう答えるに違いない、と妙な自信が己に湧く。
本当に、見たこともないような美を宿した、少女の存在。
こんなに美しい少女が、あろう事か剣を帯びて、戦いの場へと赴く事実。
そして、敵にも味方にも畏怖されるまでの力を得ていた現実。
更にはその意思を全て、他者に操られていた真実。
湧き上がるのは、卑劣な手段で力のみを手中に収めていた、彼の国への怒り。
それから。
(こんな気持ちを、この子に抱くなんて……思ってなかったな)
愛する人を奪われた帝国の、人間だというのに。
少女があまりに、哀れで。
「……大丈夫だ。もう、君には戦わせないよ……」
そっと呟き、少女の額に触れた。
常人より少し低めのように感じられた、少女の体温が。
俺の掌に、じんわりと感触を残した。
*
少女は、未だ目覚めない。
願わくは、これ以降彼女自身が、剣を振るう事がなくなるように、と。
不思議なぐらい、祈った。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。