忍者ブログ
Admin / Write / Res
勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
[98]  [97]  [96]  [95]  [94]  [93]  [92]  [91]  [90]  [89]  [88
[PR]
2024/11/21 (Thu) 20:03
Posted by シスターM
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

度々更新の感覚を開けてしまって申し訳ありません、管理人でございます。
連休も漸く終わり、皆様明日に備えて英気を養われている頃でしょうか?
専業主婦な管理人としては、明日漸く自由時間が(爆)<夫方ご親戚とずっと一緒だったので…

ところで。
『アンケで一位』の7×6的創作、大変遅くなってしまいましたが漸く書けました。
今ひとつラブ度不詳なうえ、甘さも微妙かもしれませんが…。
シチュエーションで行けば『決戦前夜』っぽく。
ただどうも、最近繰り返して拝聴してる曲に、影響受けまくってしまいました(爆)
お好きな方を含め、皆様に大変申し訳ない限りです…。
週末には少し散策でもしながら、ネタを捻ってみようと思います。

元の世界での戦いでは、たったひとつ、理があった。
戦いの終結が、そのまま自己の消滅につながる事。
怖かった。
でも、私は前を見た。
世界が壊れるぐらいなら、私が壊れた方が良かった。
だから、最期まで、進んだ。
そして、今の私が持つ、たったひとつの理。
戦いの終結は、それぞれの世界への帰還。

今、私は、終わりが怖い。


 『インパクト』


近付く、時の終わり。
少しずつ、少しずつ、でも確実に蝕まれ続けている肉体。
心の中まで蝕まれる前に、消滅の前に、最後の戦いを。
今皆が望み願っている、大きな祈り。
(……でも……)
決して皆には言わないけれど、私の心を侵食する、不安。
(この世界での役目を終えた時……私たちは、一体?)
元の世界へ戻れるのか、否か。
そして、この世界で得た記憶を持ち続けられるのか。
確実なのは、終わりが近付いている事。
そして、違う世界から召還されて出逢った仲間たち、全て。
皆の世界に戻った時は、もう、永遠に逢えなくなる事。

異なる世界から呼ばれた者たち同士で、でも、分かり合えた。
それぞれが、苦しい戦いを経験してきた戦士たちだった。
武器や魔法で他を傷つける事の、重みを知る人たちだった。
共に笑い、泣き、励まし合って進んできた。
私にとっては、元の世界で得た居場所と等しく、大切な日々だった。
忘れたく、なかった。
(……不思議だわ。こんなにも、この世界に執着を覚えるなんて)
戦う事は苦しみで、他を傷つける事が嫌いで。
当初は自らの力に悩み、心ごと震えていたのに。
今はこんなに、ここでの日々が、大事で。

(もうすぐ……)
もうすぐ、全てに終止符を打つ時が来る。

 


「ここにいたのか」

唐突に耳へ届いた声に、はっとした。
視線を向けると、相変わらずの大剣を背負ったクラウドが、渋い顔で。
「全くあんたは目が離せないな。頼むから、皆の近くでじっとしてろ」
「……ごめんなさい」
彼の『皆の近くにいろ』という忠告を、何度聞かされても守れない私を。
呆れたと身振りで表現しつつも、いつも探しに来てくれる人。
実験のために色が変わった、と渋い表情で教えてくれた、不思議な蒼に染まる瞳が。
今は真剣に、私のために向けられていた。
戦士としては華奢であろうけれど、でも決して脆弱ではなく、無駄なく鍛え上げられた体躯。
大剣を振るうのに相応しい、男性特有の大きな手。
その手が私の頬へと触れ、感触を確かめるように触れてくる。
「何か悩んでいるなら、話してくれ」
「え?」
頬を撫でながら私へ向けた彼の言葉に、首を傾げると。
「俺には理解できない悩みなのかもしれないが、話を聞く事ぐらいは可能だ。ひとりで、抱え込むな」
クラウドは、私の耳元へ顔を近づけて、囁いた。

あたたかい。
彼の言葉も、触れている手も、まなざしが湛える色も。
唇が、震える。
でも。
「……ありがとう……」
私が口にできるのは、感謝の意だけ。
それ以上は、言えない。
もしも不安を口にしたなら、実際にその瞬間が、すぐにも訪れてしまいそうで。
ほんの少しだけでも長く、この場所にいたくて。
だから私は、瞳を閉ざした。
視界がぼんやり歪むのを、じんわり熱を持つのを、感じて。
「ありがとう、クラウド」
目を閉じたままで、私は囁く。
記憶の中だけじゃなく、私の全てで、彼の全てを覚えていたくて。

「……ティナ……」
溜息混じりの彼の声と、引き寄せられる感触と。
背中に回された腕の力と、胸から響く規則正しい鼓動と、彼のにおい。
目を閉じたまま、全身で感じ取ることができる『彼』の存在を。
私の全てに、刻み付けて。
忘れたくない、と。
今一瞬だけ、ほんの少しだけ、時が緩やかに流れて欲しい、と。
言葉には出さずに、願った。

閉じた瞼から溢れた雫が、熱かった。


   *


青い瞳を、綺麗だと思った。
ずっと、見ていたいと願った。

それは、私にとって、初めての。

拍手

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新トラックバック
プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Copyright ©  違うところの夢を語る。 All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]