[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
まずはエースオブブリッツに、活躍もとい登場していただきます。
彼については、まだまだ色々と書けそうな部分があるので、これから精進したいです。
9.うつしてもいいよ?
ああ、それは犯罪。
*
目が覚めた時、世界が何故か廻ってて、俺の意識はブラックアウト。
気がつけば、また俺は天井を見上げていた。
「あれ……?」
……いや、ちょっと訂正。
「おー、目ぇ覚めたじゃんか、ティーダ」
「大丈夫のようだな」
「本当?良かった」
俺を囲むのは、何対もの目。
「……バッツ、クラウド、ティナ。あれ、俺って?」
「お前さ、倒れたんだよ、ティーダ」
間髪要れずに真実を告げるのは、バッツ。
「そういう事だ」
クラウドが同意し、大仰に頷く。
「バッツがあなたを見つけて、クラウドがあなたを抱えてくれてる間にベッドの準備をしたの」
ティナからも、親切な解説がついた。
「そっ、か……ありがとっス、皆」
俺が言うと、全員が顔を見合わせてから、微笑む。
「気にするな。困ったときはお互い様、だろ?」
「そういう事だ」
「皆の言うとおりよ。あなたはゆっくり休んでちょうだい」
3人の言葉が嬉しくて、熱っぽい頭で、ぼうっと考える。
(……こういうの、初めてかも)
あのオヤジやオフクロに、正直ここまで可愛がってもらった記憶はない。
むず痒いような、でもとっても幸せな気持ちが嬉しくて、顔が綻ぶのを自覚したとき。
「ティーダ、いいかしら?」
温かそうな湯気の上がったカップを手に、ティナがそうっと入って来た。
「あまり食欲なさそうだったから、少しだけスープ持って来たんだけど、飲める?」
「ん、サンキュー。やってみるっスよ」
多少しんどい身体をゆっくり起こし、ティナから受け取ったカップにそうっと口をつける。
程好く人肌程度に冷ましてあったミネストローネは、とても美味しくて。
「……美味いっス!」
「良かった」
ティナの笑顔も独占できて、幸せ。
そして無事スープを完食した俺は再び横になり、それを見届けたティナが席を立つ。
「すぐ戻るわね、ちょっとだけ待ってて」と笑って。
だから俺は、ふと思いついた事を口にした。
「ティナ、大丈夫っスよ、別についてなくっても」
「誰かがいたら、眠れない?」
首を傾げるティナに、俺は理由を説明した。
「イヤ、嬉しいっスけど、風邪うつしたら困るから、さ」
するとティナは目を丸くしてから、そっとベッド脇で屈み込んで。
俺の顔に自分の顔を近づけて、教えてくれた。
「あなたのなら、うつってもいいの」
それよりも、早く元気になって欲しい、って言って。
ティナはふわりと立ち上がり、部屋を出て行った。
*
……俺、しばらく病人でもいいかも。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。