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実際使っていただけるかは不明ですが、当分置いてみたいと思っております。
相変わらずの片想い文です。
タイトルは何の捻りもない、テーマそのまんまです。
キライ。
こんな私は、キライ。
君が、啼く。
『涙』
怖い、と言った。
自らを、強い力を恐れて。
未来について、考えた事もなかった、と呟く。
ひと欠片の希望も持たぬ、揺れる瞳は儚くて。
ある日激しい戦いの中、目撃した覚醒。
華奢な体躯は淡い輝きを放ち、表情も人のそれではなく、より獣に近くなる。
そして、通常より数段増す魔力。
人と人ではないものとの間に生を受けた、稀有な存在。
言葉の意味を、知る。
膨大な数のイミテーションを屑と変え、ふわりと舞い降りてきた、少女。
「クラウド、怪我はない?」
「ああ、問題ない」
「そう……良かった」
躊躇いがちに発せられる声は、確かに同じで。
瞳の色こそ変われども、その奥に揺れる不確かな心は、間違いなく。
思わず見つめていた俺の不躾な視線を感じたのか、ティナは苦しげに笑う。
「どうした?」
「……別に、何も」
「嘘を言うな。何故、そんなに苦しげに笑う?」
繰り返し尋ねると、彼女は下唇を噛み締め俯いて。
静かに、肩を震わせた。
「……キライなの」
こんな自分が嫌いだと、搾り出すような声で。
ぽつりぽつりと、吐露する背中は、細く折れてしまいそうで。
「この力は、どうしても好きになれない。私が人ではない証、だから」
「……」
「お父さんから確かに受け継いだ血で、大事な力なの。でも……苦しいの」
俯いたままの瞳に浮かぶのは、後悔の色か、それとも。
そのままには、しておけなくて。
「きゃ!?」
「!」
強引に顎を捕らえ、上げさせた顔。
宝玉のような瞳に浮かぶのは、尽きぬ憂いのままの滴。
桜色の頬を、一粒伝って、ころりと落ちる。
ああ、どうして。
こんなにも、君は切なく涙を流す?
「我慢するな、ティナ」
強引に腕の中へ閉じ込めた、華奢な体躯は冷たくて。
でも、柔らかな髪から香る花の香は、確かにティナ自身のもの。
「クラウ、ド」
「苦しければ告げればいい、泣きたくなったら泣けばいい。必ず俺が、いてやるから」
「………あ、りが、と………」
俯いた彼女が顔を埋めた辺りが、じんわりと濡れた感触を覚えて。
必死にしがみついてくる小さな手に、そっと己の手を重ねる。
どうか、君が少しでも早く、笑えるようにと。
*
美しいけれど、苦しいから。
願わくは、二度と見たくない。
頼むから、君は笑って。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。