[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
8の人物像が今ひとつつかみきれない中で動かしていますので、格好良さは出てません(涙)
ファンの方ごめんなさい。
沈黙を保つ水面をただ見つめ、心ざわめく時間だけが過ぎる。
(……大丈夫なのか?)
あまりに儚げで神秘的な美が、泉そのものに魅入られて。
隠されては、しまわないかと。
驚く程に、通常の己では有り得ない想像をした。
*
ぱしゃり、と控え目な水音。
そして浮揚してきたのは、濡れて艶を増した星屑の髪と雪の肌。
「ティナ」
「え?」
極上のオパールが俺の姿を認め、微かに笑みを象る。
「スコール」
桜色の唇が形良く動き、自分の名を口にした事に、安堵を覚える。
と同時に、俺が自分を待っていたのだと気付いた彼女は、驚愕を露わにした。
「ごめんなさい、心配をかけてしまったのね。今出るわ」
すぐに覚って答えてくれるのは構わないが、何の抵抗もなくそのまま陸へ揚がろうとするので。
慌てて制止し、その姿を見なくても大丈夫な場所まで即座に移動した。
(……危なかった)
人並の欲望は自分の中にもあるのだが、徒に流されて、彼女を傷つけることなど本意ではない。
驚く程に純粋かつ純真で、呆れるぐらい世間知らずな一面を持つ彼女。
しかし、何より驚きなのは、自分についてのあまりの無知・無関心。
『私は……人間じゃないのよ』
寂しげな笑顔が初めて見せた、次の世代を遺せないという体質による、世界でひとりという孤独。
『男性でも女性でもない。特異体質とでも言うべきかしら?それとも』
眉を寄せ、目を伏せた彼女が続けようとした言葉を、実力行使で強制終了させたのは、自分。
優しさの欠片もなく、呼吸すら奪い去るかのように、ただ深く。
強引に奪った唇なのに、甘い感触にくらくらと眩暈を覚えた。
(あの時、俺は、誓ったんだ)
この世に誕生し、そして命を終えるときまで、孤独であり続ける彼女と。
必ず、共にあり続けようと。
「ごめんなさい、スコール、待たせてしまって。もう着替えたわ」
明るい声が届いて、現れたのは身支度を終えたティナ。
無造作に背を流れる金の髪が、その動きに合わせてふわりと揺れる様までも、幻のように綺麗で。
手を伸ばし、感触を楽しむ。
首を傾げる彼女の愛らしさに、漏れるのは、安堵の気持ち。
珍しく「心配した」という自分の率直な気持ちを打ち明けて、謝罪する細い体躯を抱き締める。
花のように甘く香る髪や肌の感触を確かめ、白い額にそっと唇を寄せて囁きを落とす。
「まだ少し、身体が冷えているようだな。戻ろうか」
「……もう少しだけ、こうしていてはいけないかしら」
通常のティナならば決して口にしないような、言葉。
自分との時間を享受してくれているだけではなく、もう少し、と願ってくれている。
滅多に感じないような高揚感と、幸福感に支配され、自然と頬が緩むのを自覚して。
「了解」
抱き締める腕の力を強めてから、できるだけ自然を装い囁いた声は、掠れていた。
*
水の中から出てきた、水よりも清らかな女性(ひと)を抱き締めて。
互いの体温を分け合い、ひとつになれれば、至福。
このまま、共に溶けてしまいたいと、思った。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。