[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
冒険家×少女的文章があまりに少ない当ブログ。
先程突発で思いついたラスト的ネタを投下します。
一部ネタバレ有につき、閲覧時にはご注意下さい。
目を開けて。
最初に貴方の笑顔が見られるなら、素敵。
『青い空に笑顔』
……おとうさん。
おかあさん。
わたし、どうなるの……?
力が抜けていく身体が、重く感じられて。
でも、もう少しだけ頑張って。
明るい空が、見えるから。
(わあ…………!)
もう、声も出せなかった。
けれど、確かに見えたの。
黄昏たままの、絶望の空ではなくて。
青い、青い、空。
操りの輪が外れて、ナルシェから脱出した、あの時に。
初めて、自分自身の意思で見た、空。
*
『よっし、うまくガードを巻いたぜ!ティナ、怪我してないな?』
『……』
頷く私に貴方は一瞬訝しげな視線を向け、それから。
『いいか?ティナ。これからは、さ。ちゃんと言葉で言おうよ』
人差し指をぴっと立てて、提案してきた。
『?』
意図が掴めない私の動揺を見抜いたのか、彼は説明してくれた。
『君はちゃんと声が出せるし、言葉だってわかってるんだ。自分のコトバで、意思疎通を図るんだよ』
『……自分の、コトバ』
『そうそう!せっかく可愛い声してんだし、じゃんじゃん使おうぜ!』
私に強引に納得させてから、ふと上を見上げて。
『おー、出発日和のいい天気じゃんか。ホラ、ティナ、空見てみろよ』
『え?……ええ』
彼の指示に従って、上を向いて。
『……!』
私は、息を飲んだ。
初めて見た空は、どこまでも広く、青く。
優しく輝く太陽と白い雲が浮かんで。
『……あおい……』
『!そうだよティナ、今日は青空なんだよ』
私が呟くのを耳にして、ロックは上機嫌になると、出発を告げ。
私は彼の後をついて、歩き始めた。
*
───あの時と、同じね。
ロック、今、貴方にも見えてる?
私がナルシェで初めて見たときと同じ、空。
とても、綺麗よ。
あの時の私には、知っていても使えなかった『綺麗』という言葉。
今ならちゃんと、意味が理解できる。
全部、あの時の貴方のおかげ。
貴方が私を助けてくれて、ここまで連れて来てくれた、おかげ。
ありがとう。
……本当に、ありがとう。
……あたたかいわ……。
これ、が。
これが……『心』……。
「……、ティナっ!しっかりしろっ!!」
「ティナ!?」
「ティナ、目を開けて!」
皆が、呼んでる。
目を開けた視界に、飛び込んできたのは。
青い空と、青いバンダナ。
そして、貴方の、泣きそうな顔。
「……ロック……」
「!……ティナっ!!」
懸命に名前を呼んだら、貴方の顔がくしゃっと歪んで。
私の身体は、ぎゅうっと力ずくで抱き締められた。
「良かった。本当に、良かった……!」
「ロック……」
「君を失うなんて、もう、俺には絶対に耐えられない……!」
押し付けられたのは、ロックの胸。
五月蝿いぐらいに鳴り響く彼の鼓動は、確かに自分が生きていることを感じさせてくれて。
私は嬉しくなって、彼の服をぎゅっと握った。
そして、もうひとつ。
「あのね、ロック?」
「どうしたんだ?」
私の声に反応して、真剣な表情で尋ねてくれた彼に向かって。
私は、言った。
「笑って」
「え」
「貴方の笑顔が、好きなの。青空に似合うから。だから、笑って」
私の言葉に、彼は満面の笑みで応えてくれて。
私は、本当に、嬉しかった。
ありがとう、ロック。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。