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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/11/23 (Sat) 18:43
Posted by シスターM
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前作の逆サイド的な小話をひとつ。
微妙に時間軸がずれてますけど(汗)

もう少し駄文の数が溜まったら、ひっそりサーチサイト様とかに登録してみたいです。

──似ている、と思った。

生まれた世界も、生きてきた場所も、何もかも違うのに。
言葉で表現できない何かが、同じだと錯覚した。
初めて経験する、奇妙な感覚。

それが、彼女の第一印象。

 

 『相違点』

 

(何故、ここでまた)

綺麗で残酷なままの、記憶。
もう戻らない、きらきら輝くような笑顔。
確かに抱いた戸惑いも、忘れられない切なさも。
もう、繰り返すつもりはなかったのに。

 


「クラウド、ティナを見なかった?」

思考の迷宮に嵌りこんでいた自分を引き上げたのは、年齢の割に大人びた声。
見るからに重そうな緋色の鎧を着込んでいる割に、思いの外軽々と動き回る少年。
極上の翠玉と輝くばかりの黄金の髪、されど一度口を開けば、他者が眉を潜める程の皮肉も吐かれるが。
今の彼は年相応の、真剣かつ不安げな表情を隠す事もしていなくて。
少女が持つ少年への影響力に、今更ながら心の中だけで驚く。

「いや、俺は見ていない。お前でも検討がつかないのか」
「そうなんだよ!せめて僕には、行先を伝えて行ってくれてれば、いいのにさ」

少年は慌しく、またね!と叫ぶや否や、少女探しのために別の仲間の元へ駆け出し。
俺はその背を見送ってから、ゆっくりと腰を上げ、周囲を探索し始めた。
特別当てがあるわけでもないが、歩みを進めながらも気にしてしまうのは、華奢な細い肩。
かつて共に戦った仲間と同様、否、彼女よりも更に希薄ですらある気配を探る。

(さて、どこへ行ったのか……ああ)

視線を巡らせた視界の端っこに、星屑の煌きを閉じ込めたかのような金糸が映った。

 

半ば無意識に、足音を消して近付く。
こちらに背を向け、俯いているような華奢な背中は、未だに近付く自分に気付いていない。

(やはり、違う)

良くも悪くも『浮世離れ』と表現された、驚く程華奢で繊細で、現世のものとは思われない容貌。
憂いを纏った微笑と、出会った当初に少女が語ったその生い立ちに、言葉もない程衝撃を受けた。
世界でたったひとつの血、凍らされ奪われてきた心と記憶。
少女を包む永遠の空虚と孤独に、安易な慰めなど口にするのもおこがましく。
過酷な運命を背負うにはあまりに華奢な背中を、守りたいと思ったのは、この時だったかもしれない。

だが、今ではその心は、変化を遂げてしまった。
(俺はこんな男だったか?)
自問自答を試みて、否、と結論付ける。
かつての仲間に抱いた想いの正体は、今名付ければ確かに『恋』で。
しかしながら、今目の前の少女に抱く想いの正体は。
(──明らかに、異なっている)
これ程までに利己的で、醜悪だとさえ思える程の独占欲。

貪欲に、無様にひたすら手を伸ばし、求め、捕らえてしまいたくて。
淡い月の光の如き柔らかな笑顔で、囁いてもらいたくて。
俺の名前を。

 


「ティナ」

その名を唱えるこんな時すら、鼓動が不意に高まるのを。
少女は勿論、知る事もない。

「クラウド」

無意識に首を傾げる仕草ひとつにさえ、心乱される俺の事も。

そして。

昂る感情を抑えきれぬままに唇を寄せた、額の白さと少女特有の甘い吐息に。
頬が熱を帯びた事も。

 

    *

 

自覚するのが恐ろしい。

かつて失ったひとの影などではなく、真摯に彼女ひとりを求め始めた自分のこころを。
かつて抱いた想いの欠片などではなく、溢れ出そうな程の強い感情を持っている自分の事を。

ああ、頼むからもう少しだけ、踏み止まらせて欲しい。

走り出した気持ちのままに、ではなくて。
今はまだ、彼女を待っていたいから。

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シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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