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ウォーリアは思った以上に書きにくいことがわかりました(汗)
彼の場合は、有名な花だからどうだ、という事は全くなさげだという思い込み。
(……おや)
可憐な野花が目に留まったのは、我ながら珍しい事だと思う。
通常ならばどう考えても、そのようなものに目を奪われるような余裕はない。
いつも先の戦略を思い、仲間の安否を気遣っているからかもしれないが。
戦地の中で、偶然災禍を免れたのか。
一輪だけひっそりと、小さな花が咲いていて。
花の名は、わからない。
記憶を失っている自分ならば、当然かとも思うが。
もし記憶が戻ったとしても、自分が野花の名を覚えているような性格の人間だったとは思えない。
だが、その花がどうしても気になって。
(あの子は……どう思うのだろか)
逡巡した結果、そうっと手を伸ばした。
*
コスモス陣営の拠点に戻ると、出迎えてくれたのは、玉を転がすような声。
「ウォーリア、お帰りなさい。……まあ、その花は?」
「戦地で見つけたのだ。あの場所では、いつ戦いに巻き込まれ、傷つくかわからないから」
「そう……。可愛らしい花ね」
ティナは、私が周囲の土ごと手に載せて帰ってきた小花に視線を留め、微笑しつつ見入る。
幼女の如く目を輝かせている様は、微笑ましい。
「ティナ。これをどこかに植えておいてくれるか」
「ええ、勿論。とても可愛らしいものね、うまく根付いてくれるといいわね」
彼女は全く躊躇うことなく土ごと花を受け取ると、笑みを少しだけ深くして。
「ウォーリアは手を洗って来て頂戴、食事はできているから。私はこれを植えて来るわね」
「ああ、頼むよ」
弾むような足取りで去る背中を目で追ってから、口元が綻ぶのを自覚した。
出会った時、自らを含む全てのものに、怯えていた少女。
少女が僅かにでも笑みを零し、歌うように言葉を紡ぐ様が、愛おしくて。
自分がその切欠を与えることができたのは、幸運。
願わくは、あの花が無事に根付いて。
ティナがまた、笑みを見せてくれるように、と。
柄にもなく、想った。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。