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見た目もキレイで性格も男前で、素敵なひとなのですけどね。
今9をプレイする時間はさすがにないし・・・むむぅ。
そしてここから、小噺が短くなる(爆)。ご容赦を。
おかあさん。
あなたは、何を思ったの?
*
誕生日は、この世に生を受けた日。
帝国で保管されていた私のデータに記載されたそれは、どこから知り得た情報だったのか。
幻獣であるが故に捕らえられ、魔導の力を吸い取られ続けた父からか。
帝国兵に発見された折、赤子の私を抱いていたばかりにいち早く殺害されたという、母からか。
今、それを確認する術はない。
(……確認する、意味もない)
不毛な思考を巡らせた自分自身に、不審を感じた。
「ティーナちゃん、見っけ」
名を呼ばれて、ふっと視線を巡らせると。
「ここにいたんだ、探したよ」
足音を立てずに歩むのは、盗賊という彼の職業柄。
通常共に行動する事は少ない、仲間のひとり。
「ジタン」
名前を呼べば、笑みが深まった。
「何か御用?」
首を傾げた私に、頷いてから。
「手を出して。そうだな、左」
唐突な発言に首を傾げずにはいられないけれど、大人しく指示に従う。
すると、やがて感じる軽い金属の感触。
「……よし、やっぱりすごく似合ってる」
「これ、は?」
左手首に装着されていたのは、繊細な鎖に色石をいくつも結びつけた装飾品。
何かの力を秘めたものではないけれど、光を浴びてきらりと輝く様は、綺麗だと思えた。
「なかなかのモンだろ?ありあわせの材料で作ったから、ちょっと心配だったけどね」
「……あなたが、これを」
わざわざ時間を割いて、自分のために装飾品を作ってくれるだなんて、思いも寄らなかった事で。
どうして、と尋ねてみれば、彼は目を丸くした。
「レディーのせっかくの誕生日じゃないか!プレゼントのひとつでもできなきゃ、男として情けないからね」
「プレゼント……」
右手でそっと触れた装飾品は、金属製の筈なのに、どこか温かくて。
おかあさん。
幻獣界へ迷い込んだとき、おとうさんに出会って、ペンダントを贈られた、おかあさん。
貴女も、こんな、気持ちでしたか?
「……あの、ティナちゃん」
恐る恐る呼びかけられて、はっとすると、ジタンが心配そうに私を見つめて。
「もしかして、気に入らなかった、かな」
頬をかきながら、苦笑い。
私が沈黙していた理由を誤解しているのだと悟り、急いで弁明。
「いいえ。そんなことないわ、ジタン」
「へ?」
「その、ごめんなさい。私、人からこういう贈り物をもらった事って、初めてだったから」
少なくとも、記憶の中には経験のない「プレゼント」。
初めて経験したそれは、不思議な昂揚感を与えてくれて。
「ジタン、素敵な贈り物をありがとう。とても綺麗」
かつての母がそうしたであろう、と、根拠もないのに確信を持って。
私は、恐らくかつてない程に、笑顔になれた。
*
おかあさん。
あなたの事は、ほとんど覚えていないけれど。
あなたの心が、少しわかりました。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。