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甘いのか甘酸っぱいのか寒いのか、正直判断つきかねますが…。
評価を頂戴できれば幸いです。
7サイドの話も書ければと思い、現在検討中です。
──似ている。
生まれた世界も、生きてきた場所も、何もかも違うのに。
言葉で表現できない何かが、確かに似ていた。
初めて経験する、奇妙な感覚。
それが、貴方の第一印象。
『類似点』
(どうして、だろう)
草の上に腰を下ろして思考を巡らせても、的確な答えを導き出せない。
自己の意思を認識してから、まだあらゆる経験が不足している自分。
感覚で捉えた物事を、言葉で表現することができなくて。
もどかしさに、溜息が零れた。
「ここにいたのか」
不意にかけられた声に、意識が思索の深淵から浮上する。
存外近くにあった気配に目を向ければ、碧玉が静かに自分を見つめていた。
「クラウド。何か用?」
「皆が心配していたぞ」
「え?どうして」
私の言葉に、彼は一瞬だけ目をいつもより大きく見開いて。
肩を竦めて両手を持ち上げると、教えてくれた。
「あんたの姿が見えなくなってから、約一時間経過している」
彼から指摘されて初めて空を見上げた事で、確かに太陽が動いていた事を覚った。
「ルーネス中心に、ティーダやジタンも大騒ぎだ。結局、手分けして捜索ということになった」
「まあ、ごめんなさい。戻ったほうがいいわね」
「そうだな」
私は慌てて立ち上がり、私を見つけてくれたクラウドをもう一度見つめた。
時折無表情だと揶揄される整った容姿には、特別な変化は認められない。
何もかも見透かすかのように輝く青は、時に恐怖すら覚える程澄んでいて。
だけど今碧玉に浮かんでいるのは、確かに自分を気遣う色。
「どうした」
「うん、あの……」
私は今の自分の気持ちを、どう説明したら良いものかと思案する。
(どう言えば、いいのかしら)
まだまだ自分は、人との関係を上手に築けない。
人に何かを伝える事すら、満足にできないのだから。
乏しい経験の中から、何とか回答を得ようと必死に思考を巡らせて。
意図せずきゅ、と眉間に皺を寄せた時。
「焦らなくていい」
思いがけず、届く声。
視線を上げると、本当に微かだけれどクラウドが口元を緩めていた。
「じっくり考えろ。そして、あんたの言葉を話せばいい」
ぶっきらぼうな口調はいつものままだけど、声が幾分穏やかに発せられた気がして。
普段は氷塊のような美しさと厳しさを秘めた瞳には、南の空の優しさが混じっていた。
一見理解しにくいような、でも確かな温かさが心地良くて。
「……ありがとう」
私は自然と、笑みを浮かべることができた。
ふと思いついた言葉を、唇に乗せる。
「あなたは、とても不思議」
「……なぜ、そう思う」
唐突だったのだろうか、相手は一瞬だけ目を見開いて、それから私へ問いを返す。
静かな彼の問いかけに、私の口はするりと回答を紡ぎ出した。
「出会って間もないはずなのに、私を理解してくれているように思えるの」
「……そうか?」
「ええ。私が自分で表現できないような気持ちまで、汲み取ってくれるから」
だからありがとう、ともう一度付け足すと。
彼は不意に、視線を逸らして。
それからもう一度向き直り、今度ははっきりそれとわかるような微笑を浮かべた。
「……俺も、あんたが不思議だ」
「え?」
彼から発せられた言葉の意図がつかめずに、私は思わず首を傾げる。
すると彼は、静かに私との距離を詰めて、すぐ近くから私を見下ろした。
何かを探るような鋭い光を持った碧い瞳は、どんな思いを抱いているのかわからないけれど。
感じ取れるのは、真剣な何かで。
「クラウド?」
碧眼を見つめながら名前を呼んでみると、すっと瞳が細められて。
彼の大きな手が、私の頬に不意に触れる。
(え?)
思わず瞬く、刹那。
額に感じたのは、一瞬の柔らかな温もり。
その正体を感じ取る前に、彼は静かに体を離して。
「戻るぞ」
言い放つと途端に私に背を向け、ゆっくりと歩き始めた。
「あ……クラウド、待って」
私はゆっくりと歩く彼の背に声をかけると、小走りに駆け出して。
彼の言葉の意味や、先程の行動の意味を尋ねる機会を失った。
*
不思議なの。
どうして貴方がこんなにも、気になるのか。
どうして私と貴方が、似ていると感じるのか。
だけど、この心のざわめきは、不安じゃない。
むしろもっと、味わいたいような感覚で。
わからないけれど、嫌じゃ、ない。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。