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先週人間ドックとか初受診してみましたら、ちょっとばかし要精検(爆)。
月末行って参ります。
そんな感じの日常ですが(オイ)、空飛ぶ青い何か。様から拝借した「空と青で33のお題」、久々に一作を。
このタイトルから浮かんだ曲が『COLORS』のワンフレーズでしたので、こういった小噺になりました。
所謂カップリング要素皆無の、ちょっとした小噺です。
とりあえず、不調の原因がとっととはっきりしてくれる事を願っています。
26 雨も無いのに青傘
黄昏た空に、青はないから。
青い傘を差すの、と、あの子が笑う。
*
「リルム」
「ん?あ、ティナ」
私を認めてにっこり笑ってくれる笑顔は、年齢相応の少女のそれなのだけれど。
年齢は幼くとも、特技の絵にすら魔導の力を込める、他に類のない才の持ち主。
日頃からスケッチブックを携え、目に留まるものを描いている事が多い、その子が。
手にしていたのは、青い傘。
ちなみに今日は、雨など降ってはいない。
「どうしたの、一体」
「あ、これ?」
私の発した疑問の意図をすぐに理解して、リルムは胸を張り。
「空を思い出してるんだ」
「空?」
自慢げに発せられた言葉に、また私は首を傾げた。
リルムは歌うように、続きを話す。
「世界が壊れちゃった日から、青空が見えなくなっちゃったでしょ?」
「……ええ」
悲しげに紡がれた言葉に頷いて、見上げる真上。
黄昏の色がどこまでも広がる、世界の終わりを示すかのような空。
「たまーにね、寂しくなるんだよ。どこまでも真っ青な、空が恋しくなるんだ」
だからね、と少女は。
「傘を差すと、自分の真上だけでも、青空が広がるでしょ。そしたらまた、頑張れるんだ」
これ他の人には内緒ね、と年相応の笑顔に戻って、言った。
「……リルム」
私はそっと、ふわふわした金の髪を撫でる。
「きっと、取り戻そうね。青い空」
「ティナ」
「青空を取り戻したら、思い切り空の下を、走り回りましょう」
みんなで一緒に、ね、と。
そう言い添えたら、リルムは悪戯っぽい表情で。
「きっとうちのじじいは、腰が痛いって文句言うよ。だから、木陰で待っててもらう!」
だから他のみんなでやろうね、絶対ね!と。
それは楽しそうに、また、笑った。
*
青空を願って、青い傘を差す。
それが、彼女の大事な儀式。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。