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昨日は作品だけアップして沈んでしまいましたが、漸く浮上です(苦笑)。
空飛ぶ青い何か。様から拝借した「空と青で33のお題」、やっとこ8作目でございます。
なかなか時間が取れないですねえ…素敵なお題なのに(哀)。
申し訳ない事限りなし、でございます。
今週末は連休ですが、所用で留守にいたしますので、更新できないのですよね。
それまでに、お題をもう少し書き綴りたいものです。
8 閉じ込められた青の勾玉
『宝石のように、綺麗だわ。』
レディは、奏でるように囁いた。
*
俺の瞳をじいっと覗き込むその行動に、他意なんてない事は百も承知。
だが、そんな俺の葛藤なぞお構いなしに、純真なレディは。
「本当に綺麗ね」
今日も俺の瞳を真剣に見詰め、ふんわりと微笑む。
「名前も忘れてしまったけれど、魔除けの力を持つ宝石のようね」
「へえー!そんなお褒めの言葉を頂戴できるなら、盗賊冥利に尽きるね」
「まあ、うふふ」
だって本当の事だもの、と少女は、また微笑んだ。
世間知らずというのか、世慣れてないというのか。
その人間離れした容姿を含め、出会った当初はずいぶん驚かされた、彼女の言動。
御伽噺の姫君のような、たおやかな腕を伸ばし、無数の火球を生み出して。
心を封じる禍々しいサークレットを戴き、全てを打ち壊した過去。
記憶にないはずの姿に、虐殺と破壊を生み出す紅蓮の記憶に、怯えては。
覚えていない事のはずなのに、不思議ね、と誰より辛そうに微笑む。
細い肩がより輪郭をおぼろげにして、今にもどこかへ消えてしまいそうな程に。
美しくも儚い、麗しのレディ。
「ねえ、ジタン」
「何だい?レディ」
芝居がかった仕草で恭しくお辞儀をしてから、白い手を取ると。
レディは瞬きを繰り返し、その動きに長い睫毛が揺れた。
「どうかした?」
「あ、いいえ。ごめんなさい、でも」
躊躇しながらそれでも、はっきりと、レディは。
「こんな風に、女性として扱って貰う機会があるなんて、考えた事がなかったの」
だから驚いたわ、とさらりと言って、微笑む姿は。
子どものように純真で、だからこそ悲しい。
「ありがとう、ジタン」
ふんわり微笑むレディの瞳に、映し出された俺の瞳は。
魔除けの石なんぞではなく、今にも涙で曇りそうな空のようだった。
*
君が幸せに、笑えるようになるのなら。
俺の瞳だって何だって、くれてやるよ。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。