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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/11/21 (Thu) 20:14
Posted by シスターM
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こんばんは。
空飛ぶ青い何か。様から拝借した「空と青で33のお題」、本日も投下させていただきます。
今回は管理人が最も長く書き続けている、冒険家とのお話。クリア後未来捏造によります。
苦手な方は、閲覧をご遠慮くださいね。

いつもご訪問下さるお客様、そして拍手して下さるお客様、ありがとうございます。

6 塗り替える青の屋根

希望の象徴、って事で。


   *


トレジャーハンターという職業柄、危険な足場での作業は苦にならない。
生まれつきなのかは知らないが、手先もそれなりに器用。
つー事で、モブリズの家屋の修理担当は、俺。
海に近く潮風の影響を受けやすい地域だからこそ、メンテナンスは大事で。
「……よっし、完成!俺、やっぱ天才」
屋根の補修を無事に終えた俺は、ぽーんと屋根からダイビングした。
「まあ、ロック!気をつけてちょうだい」
「大丈夫、大丈夫。このロック様が、こんな程度で怪我なんてするわけないって」
ちょうど俺の華麗なるダイブを目撃したのだろう、ティナが目を丸くしていたが。
俺は胸を張って宣言し、ティナに向かってウィンクをひとつ。
すると彼女は溜息と苦笑と共に、その心配はしていないわ、と答え。
へ?と目を丸くした俺に、可愛らしく微笑んでから。
「子ども達が真似しようとしては、危ないでしょう?」
だから、程ほどにしておいてね、とやんわり釘を刺してきた。
……俺に遺された選択肢は、素直に謝罪して頷くだけだった。

俺の殊勝な態度を良しとして、笑みを深めたティナが、屋根を見上げて。
「ねえ、ロック」
「ん?」
「この屋根、色を変えたりはできないかしら」
唐突に、提案してきた。
「んー、まあ塗料がありゃできると思うぞ。エドガーに相談してみっか?」
「本当?」
俺の答えに、ティナは瞳を輝かせる。
「あのね、私、塗ってもらいたい色があるのだけれど」
「ん、何色?」
「青い屋根になるかしら?」
「青、か?」
ティナの提案した色に対して、俺ははて、と首を傾げる。
確かに変な色ではないし、塗料も簡単に手に入るだろうけれど。
「大丈夫だと思うけど、ティナ、どうして青がいいんだ?」
俺は何となく好奇心にかられ、理由を聞いた。

すると、ティナは。
「世界が元に戻った時、一番嬉しかったのは、青空が見えたからなの」
にっこりと笑顔で言って、空を見上げた。
「これで消えるとわかっていても、青空の中を飛んで、嬉しかったわ」
「ティナ……」
思わずぎゅっと拳を握り締め、声を荒げそうになるのを堪えた。
自らの消滅の可能性も厭わずに、飛空艇を誘導したとき。
意識を失う前のティナが最後に見たものは、青空だったのか、と。
世界を覆う絶望にも似た黄昏の色は、ケフカ消滅と同時に消え失せたけれど。
俺には青空を眺める余裕などなく、ただ不安定に飛ぶティナを必死に呼んでいた。
戻って来い、こっちへ来い、と繰り返し。
(それでもティナは、最後まで頑張ったんだよな……あの時)
最後の力でみんなを導く、と言ったときの凛とした姿も、強い眼差しも。
『愛する心』を知ったためなのか、今も失わずに、済んで。
「……ロック?」
名前を呼ばれ、はっと意識を彼女へ戻すと、気遣わしそうな視線とぶつかる。
大丈夫?と訊ねてくれる仕草ひとつも、愛しくて。
「ティナ」
「はい、え」
名前を呼ぶと同時に、強引に抱き締めて、温もりを確かめてから。
「綺麗な青、エドガーに探させような」
「え」
「せっかくだからさ、あの時の空みたいに、すごく綺麗な青にしよう」
俺は力を込めて、囁いた。


   *


彼女が一度消えそうになって、そして生まれ変わった、空。
その青を、希望にして。
僕らはここで、生きていく。

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プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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