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拙宅の更新再開後、ご訪問下さった皆様、そして拍手を下さった皆様、ありがとうございました。
個別の返答は相変わらず省略している手抜き管理人ですが、よろしくご了承下さいませ。
で、今回はNoche.様から拝借した御題をチョイスし、久々の76を。
糖度アップ目差して頑張りました!
…ど、努力だけは、お認めいただけると嬉しいなあ…。
今日だけは甘美な夢に溺れていて
ずっと苦しんでいる、貴方を。
ひと時だけでも、眠らせてあげたくて。
*
怖い夢を見る事がある、とあのひとは言っていた。
「誰だかわからないけれど、俺は、」
夢の中、倒れていくひとを想って、青い瞳からぽろぽろと雫が零れて。
あのひとの心まで、流れていってしまいそうで。
でも、眠りの魔法だけでは、どうにもならないもの。
ひとの夢には、誰も入っていけないから。
(どうすればいいの?)
心が、痛む。
「───そうだな。お薦めできる方法も、お薦めできない方法も、知ってるよ」
仲間のひとりがさらりと言い放って、笑う。
どちらも教えて、と迫ったら、彼は目を丸くした。
「本気で?」
「ええ、もちろん」
私は迷いなく、頷く。
彼は躊躇って、それでも頷いて。
教えて、くれた。
「あの、クラウド」
「ん」
「ちょっとだけ、いいかしら」
「ああ、勿論だ」
彼が天幕で眠りに就く前に、そっと訪問した。
何の抵抗もなく、彼は私を招き入れてくれた。
「何か用か?」
「……ええ」
首を傾げる彼の前に、座って、自分の膝をぽん、と叩く。
「あの、ね」
「うん」
「よく眠れるかしら?その……膝枕」
「!?」
半信半疑だったけれど、もしも効果があるならば、と。
首を傾げて、聞いてみると。
彼はしばし固まって、それから、笑った。
「……クラウド?」
「ありがとうな、ティナ」
彼はゆっくりと私の元へ近付くと、私の両手を取って、立ち上がらせた。
「あの、」
「膝枕はとても魅力的なんだが、朝までなんて無理だ。だから、必要ない」
微笑んで付け足されたのは、私を気遣う言葉。
「ありがとう」
でも、結局問題の解決には、至っていないわけで。
「……あの、そうしたら……」
「ん?」
「抱き枕、は駄目かしら?」
「は!?」
私の発言を耳にして、彼は明らかに先程よりも、ひどく狼狽してから。
額に手を当て、大きな溜息をひとつ。
「あんたにそんな事を教えたのは、大方……いや、いい」
あいつには俺から指導しておく、と彼はそっと呟いてから。
「ティナ、あんた意味を理解しているのか」
「ええ。要は添い寝と一緒、でしょう?」
「……まあ、間違ってはいないな」
私をじっと見つめて、彼はしばし逡巡してから。
「では、頼めるか?『抱き枕』」
「え」
「嫌ならいい」
「……いいえ、喜んで」
*
不思議ね、クラウド。
貴方のための方法だった、はずなのに。
よく眠れたのは、私の方だったような気がする。
あたたかい腕の中で、あまい夢に、思い切り飛び込んで。
溺れるぐらいのしあわせな、時を過ごしたの。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。