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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/11/21 (Thu) 20:37
Posted by シスターM
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恋花(こいはな)様から拝借したお題の10点目。
お借りして執筆させていただきました、最後のお話です。

DD未プレイだからこそでしょうか?管理人の身勝手な妄想設定を念のために記載いたします。
・ティナが本編6の世界からDD世界へ呼び寄せられたのは、最終戦闘直後
(本編未プレイの方には申し訳ないのですが限られた一瞬の間に呼ばれてたのかな、と)
・以前も書いたように思いますが、拙宅のティナ設定は本編に近いキャラクターかと。このため少女らしい可愛らしさに欠ける部分があるのかもしれません
・ティーダも最終決戦後のタイミングで呼ばれたものと仮定。
・召還された全員、記憶は普通に残っているものと仮定。
(ウォーリア・オブ・ライトについては、元の世界でも記憶のないまま旅を始めた人なので、この辺は問題ないかと)

これから創作活動させていただくためにも、キャラ設定をちゃんと行うべきなのかもしれません。

あなたは、とても温かい。


   *


「ティナ、前の世界での最後の記憶って、何スか?」
「え?」
ティーダからの問いかけに、私は一所懸命に、記憶を辿る。
すると彼は、思いがけずにとても辛そうな笑顔になって。
「……俺はさ、自分が消えたトコなんだ」
言葉を失う程の衝撃を感じ、私は目を丸くする。
そんな私に、なおも辛そうな笑みのままで、彼は続けた。
「だんだん自分が消えてって……。大好きなコの事、抱き締めてやれなくて」
天真爛漫な、普段のティーダはそこにいなくて。
影を落とす表情は、どこまでも苦しげだった。
「涙ももう拭いてあげらんなくなってたってのが、正直一番キツかったっスよ」

(……最後……)

唐突に、頭の中を弾けるイメージ。
高い音を立てて、消えていく魔石。
おとうさんの、最期の言葉。
空を舞う自分の体中から抜けていく力と、薄らいでいく自我。
空に溶けていく、感覚。
「……白い闇」
「え?」
「形一つ残さずに、世界から存在が、失われる……」
どうして、忘れていたのだろうか。
「あのとき、確かに私も消えた。ケフカが倒れて、魔導の力の源が消滅して」
幻獣も、魔法も、魔石も、そして私も。
そう、全部なくなって、お終いのはずだった。
白くなっていく、意識。
空に抱かれて、希薄になっていく、存在。
やがて自分のかたちも、失われて。
……なのに。

「何故、私もケフカも、いるの。何故、また消える運命に向かって……」
「ティナ?」
(わた、し……また……)
頬を濡らす、雫。
ああ、そうか、すっかり忘れていたもの。
もしも、元の世界に戻ったら。
(私は……どうなるの?)
急速にモノクロに変わっていく、視界。
「ティナ!?」
ティーダが何か、叫ぶ声を遠くに聞いて。
私の意識は、途切れた。

 


……あたたかい……。

額に感じるのは、確かな温もり。
その優しさに導かれるように、ゆっくりと目を開ける。
「気がついたか」
ぼんやりとした視界の中でも、確かに耳に届いたのは、彼の声。
「……クラウド。わ、たし……?」
「貧血を起こしたようだ。バッツの見立てによれば、心配はなさそうだ、と言われた」
ゆっくりと視線だけを巡らせると、どうやら自分はテントの中に寝かされていたらしく。
薄暗い視界の中、クラウドの気遣わしげな表情が、ぼんやりと見えた。
「ごめんなさい。ティーダにも、迷惑をかけてしまったわね。ティーダは?」
「あいつはジタンと行動中だ。今この地帯には、俺とあんたしかいない。全員分散して、偵察に行ってる」
「そう……」
身を起こそうとすると、クラウドの手がそれを制止する。
「まだ起きない方がいい。大丈夫だ、敵は来ていない」
「でも」
「無理はするな、と前にも言っただろう?俺がいるんだ、ゆっくり休め」

クラウドの口調がやや固いのは、気のせいではないのだろう。
「……ごめんなさい」
私は素直に従って、身体の力を抜く。
そのタイミングを見計らって、彼が声をかけてきた。
「ティーダが心配していた。自分が余計な事を言ってしまったから、ティナが倒れた、と」
「いいえ、違う。ティーダは何も、悪くない」
私が零した言葉を聞いて、クラウドは息を吐くと、そっと囁きかけてきた。
「話せるようなら、話してみないか?」
「……」
思い出した記憶について、打ち明ける勇気はなく、私は口を閉ざしてしまう。
クラウドもそれは予測済みだったのか、ふ、と溜息を漏らしてから。
ぎこちない手つきで、でも丁寧に、私の頭を撫でてくれた。
「嫌だというなら、無理には求めない。だが、皆があんたを心配している。これは覚えておけ」
「……うん」
「言いたくなったら、いつでも話してくれ。俺は、ずっと待っているから」
「うん……ありがとう、クラウド」

彼の手の温もりが、心地良くて。
私はそうっと目を閉じて、彼の手の感触だけを感じていた。
瞼の裏が、じわりと熱くなった事には、知らない振りをしたままで。


   *


優しくて、温かい、あなたがここに、いてくれるから。
いつか私は、あなたに打ち明けられると思う。

そうしたら、きっと。
また、頑張れる。

 





(お題配布元:恋花─こいはな─様)
 

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◆ 微笑みの手のひら
読ませて頂きました。
ティーダに変わり、ティナの看病をするクラウドはとても親切ですね。
ティナー、無理し過ぎ。って思いながら読みました。
この時のティナは、ティーダと良い感じになってたんですね。
頑張って下さい!
ティファ・ロックハート 2009/08/01(Sat)07:21:13 編集
コメントありがとうございました
返信遅くなり、申し訳ありません。
メインの76文ですから、当然クラウドも優しいと思いたいですね。
ティーダに関しては、特別意識してなかったのですが…。
いい感じの雰囲気に見えましたか?
シスターM  【2009/08/08 01:19】
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シスターM
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女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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