◆崩壊と包容４のお題

こんばんは、管理人です。
空飛ぶ青い何か。様から拝借したお題で、いきなりですが６本編的な小噺を。

…と思ったのですよ、最初は。

しかし完成してみれば、あら不思議。
冒険家はヤバいし、少女→道化的な小噺できてるし（汗）。
正直あまり閲覧をお薦めできないトホホ作です…。

と、いう事で。
ちょっと管理人が疲れ気味なのか、幸せな印象はひとつもない小噺の羅列です。
皆様、どうぞ閲覧前にご注意を。
苦手な方は、閲覧をご遠慮願います。

なお拍手返信等は、後日改めて。
申し訳ありません。

--　崩壊と包容４のお題　--

１　誰か一人がこの世界を（冒険者）

失った。
全部。

大事にしていた、大切なひと。
大事にしていた、大切な愛。

全部、ぜんぶ。

どこにも、ない。

 

……だったら、どうする？

 

もう一度、取り戻そう。

大事にしていた、大切なひと。
大事にしていた、大切な愛。

全部、ぜーんぶ。

 

そうだ、大丈夫だ。

大切なひとは、眠ってる。
俺に目覚めさせてもらうのを、待ってる。

よし。
行こう。

君を必ず、取り戻すから。

　───

２　葬りたいと願うなら（少女→道化）

……全てを消す。
それが、あのひとの、願い。

　　　＊

古の、魔大戦。
ひとは、幻獣は、一体。
何を、願ったのだろう。

ヴァリガルマンダは、何も教えてくれなかった。

魔大戦の意味も。
魔大戦の理由も。

きっと答えなんて、ないから。
……いいえ。
違う。

きっと答えなんて、ありすぎる、から。

得るための戦い。
失うための戦い。
生きるための戦い。
死ぬための戦い。

……全てなくすための。
消すための、戦い。

　　　＊

あのひとは、もう。
全てを消すしか、できない。

何も遺したくないから。
……自分すら、残したくは、ないから。

 

だから、私は。
あのひとを、止める。

消してはいけない、大切なものが、あるのだから。

　───

３　誰か二人がその人の（少女→道化）

亡骸は、きっと残らない。
残す事を、認めない。

あのひとは、そんなひと。

　　　＊

『全てハカイ』と。
そう繰り返すだけの、可哀想なひと。

哄笑響く、瓦礫の塔の奥底に、あのひとがいた。
狂気の笑みは凄味を増し、見るものを恐れさせる。
まるで恐怖の化身のように。

ああ、こんなにも。
あなたの心は壊れてしまって、元には戻らないのね。

……だったら。

あなたの心を戻せないなら、あなたの望みを叶えてあげる。

　　　＊

あなたをここで、こわしてあげる。

　───

４　隣にそっと愛の手を（冒険者＋少女）

知らなかった事を、たくさん、教えてくれたの。

　　　＊

言葉を出す事も。
人の目を見て話すことも。
自分の意志を持つことも。

全部、あなたに教わったこと。

……だから、ね。

愛するひとに、お別れした、あなたが。
俯いている理由は、聞かないわ。

私にできる事なんて、ほとんど何もないのだから。

だから、たったひとつだけ。
そっとあなたの手を、握らせて。

　　　＊

ひとと手を握ると、安心できる事も。
あなたが、教えてくれたのよ。

だから今、少しだけ、返させて。