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かなり期間を空けてしまいましたが、モニカ様の「選択式御題」から、新たに拝借したお題「葬-funeral」 の続きをアップ。
ちなみに、この文章、管理人的には問題ないと考えているのですが…苦手な方もおられるのでしょうか?
ご一読いただきまして、不快感を抱かれたお客様がおられましたら、拍手等でお知らせくださいませ。
注意書きを追加させていただきます。
土葬(2×6 2視点)
大地に、帰る。
それは贅沢な望みだと、知らずに。
*
「……よし、と」
掘り返していた地面を元通りに土で埋め戻し、俺はスコップを置く。
埋めたのは、昨夜と今朝の食材となった動物の残骸。
後は土の中の生物が、時間をかけて残骸を土へと変えるだけ。
「フリオニール、お疲れ様」
一息ついた俺に労いの言葉をくれたのは、ティナ。
「ありがとう。大丈夫だ」
「ええ」
ティナは俺の言葉に頷くと、俺が掘り返した地面を見詰める。
「どうかしたか?」
「いいえ。少し、思い出したの」
俺の問いかけに、ティナは微笑んで。
最初に私を救ってくれた人が、今のあなたと同じだった、と語った。
「彼も必ず、動物の残骸を地面深くへ埋めてたの」
『……よし、完了』
『終わったの?』
『ああ』
『どうして、埋めるの?』
『え?』
『必ず埋めなくてはいけないの?』
『いいや、違うよ──』
「彼は言ったの。『きちんと土に埋めることで、土に帰してやるんだ』って」
ティナは一言一言、思い出しながら語る。
「土へ帰す事で、彼らは次の道を歩むんだ、って。新しい生命を育むための、力になる
んだ、って」
「……そうだな。その通りだ、ティナ」
俺は、彼女の言葉に頷いて。
「生き物は等しく、土へ帰るんだ。また次に生まれる、命のために、さ」
少女はそっと、目を閉じる。
「私もいつか、大地へと、帰ることができるのかしら」
「ティナ?」
「……きっと、最後は。最後だけは……そうだと、信じたい」
独り言のように呟く言葉の、意図はつかめなかったけれど。
少女の祈りにも似た、その言葉を遮るなど、できず。
俺は黙って、彼女の華奢な背を見守るだけだった。
*
彼女の父たる『幻獣』が、形ある遺体を残さず散ったことも。
彼女が自らの最期について、不安を抱いていたのも。
俺はその時、知らなかった。
幸いご気分を害されたお客様は、今のところいらっしゃらないようで、何よりです。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。