◆The Last Judgment

こんばんは、管理人です。
頭の中が『破』映画館予告版のBGM漬けでございまして（オイ）、その曲から妄想した小噺。
決戦前夜的な小噺ですが、ラブ度はゼロです、どうぞご容赦を。

ちなみにタイトルの意味は、ヨハネの黙示録で有名な「最後の審判」。
本来の意味とは違う使用法となってしまっていますが、その点はどうぞご了承願います。

挑む相手は、神。

 

『The Last Judgment』

 

調和と混沌とが争う世界の戦士として、仇敵と剣を交え。
調和神を失った世界で目指すは、その先に待つもの。
全てを滅ぼしまた繰り返そうとする、悪い夢を終わらせること。

破壊神との、闘い。

 

「……心して、挑まねば」

誓いを立てるのは、勇者。

「相手は『神』。だが、後には退かない」

深呼吸をするのは、義士。

「大丈夫、僕らは必ず勝つ」

心を決め笑うのは、少年。

「皆で力を合わせれば、必ず道は開けるよ」

穏やかに微笑むは、騎士。

「大丈夫。風は俺たちに吹いてる」

自信に満ち頷くは、旅人。

「未来は、必ず、守ってみせる」

己の手を握るのは、少女。

「迷いはない。ただ、進むだけだ」

剣の柄に触れるは、兵士。

「この任務、必ず成功させる」

虚空を見据えるは、獅子。

「ラストシーンは『めでたしめでたし』、だぜ、勿論」

不敵に笑ったのは、盗賊。

「当然っス！フィナーレは派手に決めてやるっスよ」

拳を天に掲げるは、夢想。

 

互いに背を預け、心を通わせてきた、仲間たちを。
勇者は改めて見回し、静かに頷く。

「よし。皆、行くぞ」

纏う鎧の重さを感じさせぬ程、彼は静かに立ち上がり。
他の戦士たちも皆、彼に倣う。
誰からともなく手を伸ばし、全員の温もりを重ね合わせて。
分け合ったのは、想い。

「改めて今一度、互いへ誓おう。必ず共に、生きて帰ると」

勇者の言葉に、皆は目を合わせ、頷いた。

 

　　　＊

 

神に挑むのは、人の禁忌。

それでもなお、明日を掴み取るために。
世界のための審判を、彼ら自身が受けるために。
戦士たちは、進む。

目差すは、物語の、終焉。