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実は案外スコティナ好きなのかもしれません…管理人って。
で、こちらもアンケートにて大変ご好評をいただいましたので、連作化しようと無茶なカテゴリ分け実施。
ついでに時間を遡らせて、ありがちな一目惚れシチュを捏造してみました(爆)。
格好良くない獅子をご覧になりたくないなら、是非回れ右!でお願いいたします。
というわけで、本作は現代パラレル設定に基づく創作ですので、苦手なお客様は閲覧をご遠慮願います。
「『誠の恋をするものは、みな一目で恋をする。』理屈じゃないんだよ、スコール」
人付き合いが苦手で、特定の相手と交際する事など考えられなかった俺に。
昔からそんな格言とやらを勿体ぶって話していた、従兄の存在は鬱陶しくて。
自分には縁のない話だな、と完全に無視を決め込んでいた、当時の俺よ。
……従兄は、正しかったぞ。
『同級生と、俺。』
実家から遠く離れた大学への進学を希望したのは、少しでも環境を変えたかったから。
過保護過ぎる親からの愛情に嫌気が差し、従兄が住む場所への間借りを願い出て。
首尾良く始まった大学生活一日目に、運命的な出会いを経験した。
(……広い、な)
入学式典やら何やらを控え、俺はやたらとでかい大学の講堂へ足を踏み入れて。
無駄ではないかと思える程広い空間と、物凄い『同級生』の数に溜息。
皆が希望に瞳を輝かせ、胸弾ませているといえばいいのか、とにかく物凄い熱気。
特に座席指定もなかったので、空いている場所を探して腰を下ろす。
喧騒は苦手だ、と心の中だけで零していると。
「……あの、ここ、いいかな」
自分の隣を指し示す指を目で辿っていけば、淡いグレー系のスーツの青年。
顔だけ見れば厳しい印象を与えそうな吊り目の、でも穏やかなトーンの声。
「ああ」
「良かった」
無愛想な返答にも相手は全く動じずに、静かに腰掛けて。
ふう、と息をついてから、自分へ向かって微笑んだ。
「人が多くて驚いたよ。俺、田舎から出て来たばかりで、右も左もわからなくて」
「田舎?」
あまり他者に進んで係わろうとしない自分には、珍しいことだけれど。
彼が心細げに呟いた言葉が気になり、自ら質問までしていた。
「ああ。北のフィンっていう町さ、君も名前ぐらいしか知らないだろ?」
存外人好きしそうな笑顔になった青年は、同意を求めるようにこちらを見る。
「だから知り合いも誰もいなくて、不安なところもあるよ、これからは」
知り合いも誰もいない、というフレーズに、親近感を覚えたのか。
通常ならまず有り得ない台詞が、するりと口をつく。
「俺と、一緒だ」
「え?」
「俺は南のエスタ出身だ。大学に知り合いはいない」
隣の青年に向かって、そう告げる。
「エスタか!大きな都市じゃないか。でも確かに、このバロンからは遠いな」
彼は目を丸くしたかと思うと、不意に手を差し出して来る。
「良かったら、友達になってもらえるか?俺はフリオニール」
「……スコール=レオンハートだ」
握手など普段はする事がない筈だが、俺はその時、ぎこちなくも手を差し出し。
フリオニールは、力強く握り返してくれた。
それから互いの生活などについて、雑談をしていた折。
「あの、もしかして……フリオニール?」
不意に俺たちに背後からかけられた、女性の声。
当然のようにフリオニールが振り返ると、表情が変わる。
「ティナ!久し振りだな、君もここの大学だったのか!」
「ええ。あなたこそ、久し振りね。また会えて嬉しいわ」
フリオニールに笑顔で答える女性を見て、俺は言葉を失う。
(……!)
そこにいたのは、今まで見たこともない程の、美女。
新入生なのだろう、紺色の地味なスーツを身に着けている、均整の取れた体つき。
柔らかそうな長い金髪を結い上げ、化粧せずとも全く問題ない端整な顔。
鈴を転がすような声は柔らかく耳を擽り、人を惹きつけて離さない。
「フリオニール、今度時間を作ってまたお話しましょうね。またね」
「ああ、またな」
だが俺がうっかり見蕩れている間に、フリオニールたちは挨拶を終了してしまって。
結った髪を揺らしながら、女は自分の友達がいるのだろう、違う席へと戻って行った。
「悪かったなスコール、昔の知り合いだったんだ、彼女」
小学校の同級生で……とフリオニールが説明してくれるのも、聞き流し。
俺は慌て気味に、彼へ尋ねた。
「名前は」
「え?ああ、ティナだよ、ティナ=ブランフォード」
多少面食らいつつも、フリオニールはあっさり回答してくれて。
俺は無言で頷いてから、心の中だけでその名を繰り返した。
(ティナ……、か)
先程フリオニールと話していた時に見た、笑顔の美しさ。
自分の中に突然沸いた、彼女への興味。
そう、それはまるで。
(………ちょっと待て。この俺が、まさか)
口元を抑え俯く自分に何かあったのか、とフリオニールが声をかけてくれるが。
慌てて否定し、深呼吸して気を落ち着ける。
そしてもう一度、自分の感情を冷静に検討して……。
ああ、これは、やはり。
*
それは、スコール=レオンハート、18歳の。
人生初の、一目惚れ。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。