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連作化がどこまで続けられるかは不透明なのですが、とりあえずカテゴリ分けをしてみました。
そしてバンドマンな人の初対面の印象などを、ちょろっとだけ。
…わかってはいるのですよ、この先をご所望のお客様方が投票してくださっていたであろう事は…!
しかしながら、当初連作する予定が全くなかった無茶噺を自分の中で少しでもしっかりさせたくなりまして。
かなり蛇行運転しておりますが、どうぞご容赦願います。
というわけで、このお話は現代パラレル設定に基づくため、苦手なお客様は閲覧をご遠慮願います。
【大変大まか過ぎる設定】
・クラウドがベース、ザックスがギター、レノがパーカッション、セフィロスがボーカル
・所属事務所社長がルーファウス、マネージャーはツォン
・ルーファウスの妻がイリーナなのは、管理人のどマイナーCP嗜好によります
・ザクエア設定(実は管理人の好きCPはクラエアですが、そこはスルーで)
・バンド4人は仲良しで(笑)
この他にも、ティナの職場等で脳内設定てんこ盛りなんですが…。
そのお話を書かせていただく際に、明らかにしてみようかと。
あの家に越してから、変わった、何か。
その正体はわからずとも、理由は明白で。
『隣の子と、俺。』
バンド「J-E-N-O-V-A」がデビューしてから、今年で4年。
年齢も性格もばらついているメンバーだけれど、それでも仲は良い方で。
今の所は、仕事は大いに順調だ。
だが。
(……鬱陶しい……)
目下最大の憂慮事は、「自宅の環境」これに尽きる。
静寂を好む自分にとって、都心部に近い現在の住居周辺の騒音は、耳につく。
結果として、俺は、転居を選択した。
*
「よ、クラウド、また引越しだって?」
「……ああ」
打ち合わせのため事務所オフィスに顔を出した俺に、にやりと笑って話しかけてきたのは、バンドメンバーのザックス=フェア。
「お前の引越し癖も変わんないな、と。先立つモンとか手続きとか、面倒な事よくやるよな、全く、と」
同じく皮肉めいた笑みで続けるのは、メンバーのレノ。
2人は先に着いていて、どうやらここで昼飯中だったらしい。
お前も食うか?とレノに訊ねられたが、食ってきた、と答える。
「んで、今度はどこに決めたんだよ?」
「……参番街」
「へぇ、いいな、と」
参番街は普通の町だけに面白みは少ないが、住みやすい、とはレノの言葉。
ザックスは「俺は『蜜蜂の館』が近い六番街のがいいな」と下卑た発言。
眉を寄せた俺に代わって、ザックスに釘を刺したのはレノだった。
「エアリスに今の発言、言うぞ、と」
「げ、チョイ待て!俺が悪うございました、それはパスー!」
事務所も公認している婚約者の名を出された途端、慌てるザックス。
この姿も、俺たちが集まったときにはよく見られる、お馴染みの光景。
そんな折に、扉を開けて入って来たのは、ボーカルでリーダーのセフィロス。
「みんな揃っていたか。遅くなったな、すまん」
「いや」
「大丈夫だって、俺らまだ飯食ってたし!」
「そういう事だぞ、と。アンタも食うか?と」
レノはさり気なく声をかけるが、セフィロスも食べてきたようで、丁重に辞退。
そこへ更に加わったのが、事務所社長のルーファウスと、俺たちのマネージャー・ツォン。
そして社長秘書兼事務職員のイリーナだった。
「全員揃ったようだな」
「案外早かったですね、良かった。コーヒー以外が飲みたい人は?」
ツォンの言葉を受け、イリーナが全員の飲み物を準備しようと尋ねる。
「私はカフェオレで頼む、イリーナ」
即座にルーファウスが声を上げ、イリーナは得たりと頷いた。
「今日は濃い目ですよね、了解しました」
「うむ」
この辺りの呼吸の合い方は、さすがと思わせるが。
「……あーあ、正に以心伝心だな、と。さすがは万年新婚夫婦」
ぼそり、とレノが零した言葉に大して、速攻で顔を真っ赤に染めるのもイリーナで。
「ちょ、レノ!」
慌てて反論しようとするが。
それを遥かに超越している彼女の夫=ルーファウスの発言は、もう神の如し。
「レノ、『万年』ではないぞ。『永遠新婚夫婦』にしておいてくれ。私とイリーナとの愛は、永遠に不滅なのだからな」
「ちょ、ルー、もといしゃ、社長っ!」
「本当の事だぞ、愛する妻よ」
(……平和な事だ)
正に永遠新婚気分、いつまで経っても馬鹿っプル全開な、社長夫妻の会話を尻目に。
俺はオフィスの開放感溢れる窓から見える、空を仰いだ。
ミッドガル参番街、閑静な住宅街を構えるこの地区の、駅前近くに建つマンション。
立地条件も良く、更に家賃もそこそこ、何より管理会社の対応の丁寧さで決めた場所には、わずらわしい騒音は欠片もなかった。
(……久し振りに、良く眠れそうだ)
広く取られたベランダに出て、周囲の景色を眺めつつ、そう思う。
ふと隣のベランダを見ると、いかにも生活感に溢れたというか、生命感溢れたというか。
鉢植えやプランターの草花らしきものが、いい香りを放っていた。
(そういえば、管理人が「隣は家族の人間だ」と)
草花好きの女性がいるのだろう、そんな事を考えつつ、気付けば夕刻。
転居荷物の片づけは全て業者にやってもらったので、今すべき事はただひとつ。
(夕飯は……コンビニか)
財布を手に、家を出たところで、偶然出会ったのは隣の住人。
扉を開けようとする背中に向かい、声をかけると振り返って。
(……!)
予想外の事に、一瞬言葉を失った。
曲りなりにも芸能界に籍を置く身、それなりに仕事もいろいろこなしてきて。
歌手やら女優やらタレントやら、色んな肩書きを持った美女にも会う機会は多い。
が、しかし。
こちらを見て首を傾げている、恐らくは隣の住人であろう、女は。
正直言って、今まで見た事がない程に綺麗な女。
俺は夢でも見てるのか、と自分の頬でも抓ってみたくなるが、そんな現実逃避は無駄。
「……その、ここの部屋の人、か?」
戸惑いながら声をかけると、彼女も躊躇いながら、でもはっきりと返答する。
「え、あ、はい、そうです。あの、あなたは」
「俺はその、隣に越して来た者で。一応挨拶を、と」
「……まあ!そうですか、すみません、私ったら。あの、ティナ=ブランフォードです」
俺のしどろもどろな発言にも、相手は気にした様子はなく、ぺこりと頭を下げる。
(ティナ=ブランフォード……)
頭の中でその名を繰り返しつつ、俺も名乗った。
その時は、些細な会話しかせずに別れ、俺は近所のコンビニへ直行して。
手軽な夕食を終え、一息ついてから、先ほどの女性を思い浮かべる。
(信じられない程に、綺麗な女だったな)
あんな美人が隣に住んでる、という事実に、顔がつい綻ぶのは男の性か。
更に彼女は、先程のちょっとだけの会話の中で、自分を知っていると言ってくれた。
(この間のライブにも来てくれてたのか……)
社交辞令な筈なのに、「お疲れ様でした」の一言が、嬉しい。
自分の周囲には、確かに美人も多いけれど。
あんなに安らげる雰囲気を作り出してくれる人間は、いないから、と思い当たって。
(……引越しして、良かったかも、な)
改めて思ってしまうのも、男の性であろうか。
*
この時には、単なる好印象でしかなかった、ティナへの感情が。
思い切り揺さぶられるのは、もっと先。
連作化させていただいたことにより、彼らの歩みは遠いと思いますが…。
気長に見守っていただければ、幸いです。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。