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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/11/22 (Fri) 22:59
Posted by シスターM
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ハイ、再び管理人です。

えー実は、当初「7×6か、8×6か」と迷っていましたキリリク創作、こちらはボツにしたものです(爆)。
何故か、と申しますと。
「夏のお話」として承ったにもかかわらず、夏らしい表現が一切ないのです…!
あまりに拙いトホホな理由で、恐縮です。
でも一応書いたので、ここに晒しておこうと思います(笑)。

星空の下、互いを感じていられる事が、何よりも。

 

『ミルキィウェイ』

 

夕食後、夜も更けて。
そろそろ見張りの当番を除いた全員が、就寝の準備。
私も天幕の中、髪を纏めたリボンを解く。
(……?)
感じた気配は、慣れ親しんだ仲間のもので。
特に不審を感じる必要は、ないのだけれど。
「スコール。あの、どうしたの?」
気配が微かにする方へ、躊躇いながらも声をかけると。
「……気付いたのか」
やや驚きを含んだ、相手の小さな声。
「ちょっと、外に出て来ないか」
元の世界での、傭兵という職業柄か。
戦士として、他者よりも休息に関しては神経質な彼が。
珍しく、そんな言葉を口にするものだから。
「わかったわ」
私は即座に応じ、天幕から抜け出した。

 


私より背も高く大股のスコールが、手を引いてくれるのは、不思議な感覚。
歩調を合わせてくれるのが嬉しくて、つい口元が綻ぶ。
「……ここだ」
彼が静かに呟いて、歩みを止めたのは、夜営地から程近い高台。
私へ向かって微かに表情を和ませてから、手を離し。
「見てみろ」
彼が指で示してくれたのは、空。
指に従い、仰ぎ見て。
「わ、あ……」
声を、漏らした。


頭上に広がる、無数の星々。


「ここは文明とかけ離れている分、光害も起こらないようだ」
「コウガイ?」
初めて耳にする単語に首を傾げると、スコールが説明してくれる。
「光の害。人工建造物の光が星の輝きを遮り、見えにくくしてしまう事だ」
元の世界では自分もあまり気に留めていなかった、と前置きして。
「よもや異世界で、この美しさを知る事になるとはな」
彼は視線を空に向けたまま、目を細める。
「星の位置も天の川も、俺がいた世界とは違うが」
「天の川?」
「光る星が多く集まって、光の帯のように見える部分だ」
私の知らなかった単語を簡潔に説明してから、彼は一方を指し示す。
視線をそちらへ向けて、その意味を理解した。


「本当だわ。白い川が流れているみたい」
音もなく、静かに瞬く空の星たち。
「とても綺麗ね」
「そうか」
私の呟きに安堵したのか、彼の声が優しくなる。
そんな彼に向き直り、私は告げた。
「ありがとう。スコール」
彼にとってそれは意外だったようで、微かに目が見開かれる。
「星がこんなに綺麗だって、今まで意識した事なかったわ、きっと」
あなたのおかげね、と付け足すと、彼は不意に視線を逸らす。
最初は戸惑った事もあるけれど、彼の照れ隠しだ、とジタンが教えてくれたっけ。
彼のそんな変化にも気付けるようになったのが、嬉しいと思う。
「うふふ」
うっかり漏らした笑みは、彼の耳にも届いていて。
「……どうした」
照れを誤魔化すかのような調子の、低目トーンな彼の声に。
私は笑顔で、答えた。


「嬉しいの。あなたと一緒に、星を見られるこの時間が、とても」


──今度こそ、彼は絶句した。

 

   *

 

星はとっても綺麗で、素敵。
でもね。


ここに連れて来てくれて、星の話をしてくれた。
優しいあなたと一緒にいられるのが、一番、素敵。

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◆ 無題
ティナには、笑顔が一番良いですね。
読んでて面白かったです。
スコールと一緒に見れて、満足そうな笑顔でした。
あるサイトで、2人のシーンを見たのですが…ティナはウォーリアの事で深く考えているみたいですよ。
スコールは、彼女が自分に気付いてくれるのかと思っていた見たいです。
ごめんなさい、関係のない話をしてしまって。
頑張って下さい。
ティファ・ロックハート 2009/07/07(Tue)21:14:41 編集
コメントありがとうございました
素直なティナの笑顔にときめくスコール、とでも申しましょうか。
確かに、彼女には笑顔が一番だと思います。

それから、厳しい言い方になるかもしれませんが、別のサイト様でご覧になったお話については、拙宅ではなく実際にご覧になったサイト様にてコメントされるようお願い申し上げます。
感想などがおありの場合など、直にサイト様へお伝えしたほうが、サイト様の管理人の方も喜ばれると思いますので…。
シスターM  【2009/07/07 22:28】
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シスターM
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女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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