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彼の扱いが微妙な事が多いと思われる拙宅で、それなりにいい感じ…じゃないかなあ(弱気)。
このカップリングがお好きなお客様、本当に申し訳ない限りです。
現代パラレル設定につき、苦手な方は閲覧をご遠慮願います。
僕は現在、15歳。
そう、俗に言う受験生って奴だ。
だけどそれ以上に、僕は今、大事な問題を抱えてる。
『お隣さんと、僕。』
小さい時からずっとずっと一緒にいてくれた、お隣の綺麗なお姉ちゃん。
それが、ティナ。
物心ついた頃からずっと彼女を見慣れてるから、正直クラスの子なんて誰も目に留まらない。
だってそうだろ?ティナ以上に綺麗な女の子なんて、世界中捜したって、いやしないから!
ふわっふわの綿菓子みたいな金髪も、宝石みたいな紫の瞳も、鈴を転がすような声も。
どんなに周囲から綺麗だって言われる子と並べたって、叶うわけなんか、ないんだ。
そんな僕の、10歳頃からの不動の目標、それが。
『将来ティナをお嫁さんに貰う』、これに尽きる。
確かに年齢差は多少あるけれど、そんなものは関係ないんだ。
だって僕には、昔からずっと、ティナだけなんだから。
それにティナだってちゃんと「待ってる」って言ってくれたんだよ?嘘じゃないんだよ!
だから僕はひたすらに、一所懸命勉強してる。
少しでも早くティナに追いつきたいから、いざとなったら飛び級ぐらいできるように。
そんな僕だけに、本当の事を言えば、高校受験なんて全く問題にならない。
(……区内の全部の高校から、推薦入学の話が来てんだものな……)
先生から「よりどりみどりだぞ、さあ選べ」と笑いながら渡された、区内の学校の資料の数々。
ただでさえ辞典まで持参させられた今日の日に、これは正直、拷問だった。
「ったく、重いよコレ…………!」
ぶちぶちと文句を言いながら、鞄を提げて歩いていた、僕の視界に入るもの。
黒っぽい乗用車の助手席にいた、あの姿は紛れもなく。
(ティナだ!)
僕は重たい鞄を振り回しつつ、家路をダッシュし始める。
ちょうど家の近くの角を曲がった所で、件の乗用車からティナがするりと降りて来た。
その扉をさり気なく開いている、男。
「ありがとう、クラウド。助かったわ」
「いや、問題ないさ」
(……っ、またアイツ……!)
僕の心がちりり、と焦げる。
現在20歳、大学生のティナと同じ学部へ進学したという、高校からの同級生クラウド。
昔から勉強が良くできたティナと同格の成績を取っている上に、周囲が大騒ぎするぐらいの美形で。
時間が合えば、大学への送迎だって笑顔ひとつで引き受けてくれるという、性格の良さまで備わってる。
認めたくはないけれど、口惜しいぐらいティナにもお似合いの、アイツ。
「……っ」
ぎゅ、と握り締めた拳が、痛い。
その時。
「まあ、ルーネス?お帰りなさい」
「久し振りだな。お帰り」
顔を上げると、ティナとクラウドが並んで僕に笑いかけてくれていて。
僕は慌てて「た、ただいま」と言うと、ふたりの傍へ駆けていく。
「本当に久し振りね、あなたに『お帰り』って言えるのは。嬉しいわ」
「そ、そうかな」
「受験を控えた中学生と、俺たち大学生であれば、なかなか時間も合わないからな」
ニッコリ笑うティナの隣で、クラウドも穏やかにそう言うと、さり気なく僕の頭に手を置いて。
「しばらく見ないうちに、随分背も伸びたな。俺もそろそろ追いつかれそうだ」
優しい瞳で、言った。
「……そ、そんな事ないさ、まだまだだよ」
「いや、本当にあっという間だぞ。お前の場合は俺より足も大きい、将来必ず俺は追い越されるだろうな」
僕の照れ隠しの回答も、彼はすっかりお見通しで。
勉強頑張れよ、と言い残してから、ティナに別れを告げて車へ乗り込む。
「試験がひと段落したら、俺の運転でどこか連れて行ってやろう。ルーネス、どこがいい」
運転席から顔を出したクラウドの、唐突なお誘いに、僕は目を丸くしたけれど。
彼は心からそう言ってくれてるんだな、と思えて「考えとくね」と笑顔で返した。
クラウドの車が走り去った後、ティナが僕を見詰め、微笑む。
「あなたが大きくなるの、楽しみだわ」
「そ、そう?」
ティナの優しい表情が嬉しいけれど苦しくて、僕は苦笑いをひとつ。
すると彼女は、ちょっとだけ屈んで、僕へ耳打ち。
『ルーネス、大丈夫よ。私、ちゃんと待ってるから』
「……!」
「じゃ、後でお菓子の差し入れ持っていくわ。またね」
真っ赤になった僕に微笑んでから、ひらりとティナは自分の家に入っていき。
一人、残された僕は。
「………不意打ちだよ、ティナ………」
にやける頬を押さえつつ、真っ赤に火照った顔をどうにか治したくて、悪戦苦闘していた。
*
どこぞの受験の問題集より、何より厄介な、僕の問題。
それは、ただ彼女のこと。
早く、大人になりたいな。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。