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唐突ですが、3万でキリリク設定をさせていただきました。
もしビンゴなされたお客様、できましたらご一報いただけると大変嬉しいです。
PCのみなのか…キリリクを示すお知らせの後でメッセージをお送りいただけるはずです。
以上、お知らせでございました。
さて。
現パロアンケ、残すところ僅かとなりました。
正直思った以上にたくさんの投票をいただけており、心からお礼申し上げます。
もしまだ投票されてない方で、投票していただける方がおられましたら、ご協力願います。
で、本日のアップ駄文は8×6。
キャラクターを把握仕切れていない分、獅子を格好良く書けないもどかしさが、ございます。
ご容赦のうえ、お楽しみいただければ幸い。
現実離れした美貌の、少女。
だけど、その宝玉はいつも悲しげな色を秘めて。
『アメシスト』
「異常はないわ」
「こっちもだ」
俺が今行動を共にしているのは、ティナ。
事の起こりは合流後間もなく、オニオンナイトとジタンが同時に発熱でダウンした事で。
「俺がついてるから、大丈夫」
薬師のアビリティを駆使して、薬を調合したバッツが笑い。
「2人で協力して、周囲を探索してくれ。俺がこっちの護衛につく」
クラウドの判断は妥当なものだと思われたため、反対する必要もなかった。
今まで会話らしい会話などした記憶がなかった分、大いに動揺したが。
やがて、その動揺が杞憂だったと思い知る。
(会話がない。いや、必要としていないのだろうな)
自他共に認める程に寡黙な自分が思うのも、おかしい話ではあるのだが。
とにかくティナは、必要最小限度の言葉しか発しようとはしない。
まだ完全に思い出したわけではないが、元の世界で見知っていた女性というのは大抵がお喋り好き。
こちらからしたら『意味がない』と突っ込みたくなるような、些細な事でも十分会話を楽しんでいるのだが。
煩わしさがないのは歓迎なのだけれど、理解に苦しむ存在だと思う。
「……スコール」
不意にティナが鋭く声を上げ、俺も意識をそちらに向けた。
敵の気配を敏感に察知できるのは、彼女特有の能力であり強み。
「この先の岩の近く。イミテーションが3、いえ4体」
「本体は」
「いないわ」
「了解。テンカウントで動く」
俺たちは、互いに頷きあってから得物に手をかけ、それぞれの心の中でテンカウント。
そして、同じタイミングで左右へ散った。
間髪入れずに、今まで俺たちがいた場所へ、イミテーションが攻撃を仕掛けてきた。
氷系の呪文だったところを見ると、魔導士系の敵らしい。
呪文発動後の隙を狙ってティナが発動させた攻撃呪文が、地面を走り全てを直撃。
4体中2体が致命的なダメージを受け物言わぬ岩となって転がるが、残り2体は動こうともがく。
それを俺が粉砕し、排除完了。
距離を詰め、互いの無事を確認する。
「怪我はない?」
「平気だ。あんたは?」
「私も問題ないわ」
「了解した。探索を続ける」
彼女が無言で頷き、俺たちは再び連れ立って歩き出した。
「ティナ。軍にでもいた事があるのか?」
単刀直入にぶつけた疑問に、ティナはしばし躊躇してから頷く。
「ええ。でも、どうして?」
「あんたの身のこなし。訓練を受けた人間の動きだ」
彼女やクラウド、セシルの所作は、無意識に極力無駄を省き、体力の消耗を防いでいる、と。
俺の説明に納得したのだろうか、彼女は俯きがちだった瞳をこちらに向ける。
「あなたもなのね?私の動きから、見抜いたのなら」
的確な指摘に俺は頷き、内心で頭の回転が速い、と思う。
「志願して、入ったの?」
「ああ。俺の場合は傭兵だがな」
「そう……」
私とは違うのね、と呟いたティナの声は、驚く程硬質で。
伏目がちな表情と握った手の震えが、彼女の後悔と苦悩を雄弁に物語っている。
俺は何も言うことができず、無言で頷くだけだった。
すると、ティナはふう、と溜息をひとつ。
「ごめんなさい」
見るからに落胆した様子で、謝罪の言葉を口にする。
「何故謝る?」
「あなたは話してくれたのに、私が話せない」
「気にするな。無理に話す必要はない」
元々他者の抱える事情に必要以上に首を突っ込むような、悪趣味な真似は好まない。
増してや彼女の場合は、触れてもらいたくないという意図が明白だから。
(望まない戦い、望まない力、か)
この世界での初対面の際、全てに怯え震えていたのには、それなりの理由があるのだろう。
また、少女の宿敵というあの不気味な道化姿の魔導士の言葉も、気にはなっている。
(『人形』とは、どういう意味だ?ティナは、人だ)
確かに際立つ美貌の外見も、浮世離れした性格も、稀有であるのは間違いない。
でも間違いなく、少女は俺たちと心通わせ、共にこの世界の秩序を取り戻すために戦う戦士。
───そう、今はそれだけで十分ではないか。
「ティナ」
俺の声に、彼女はゆっくりと視線を向けてきた。
暮れゆく空の色にも似た紫が、くっきりと俺を映し出す。
「忘れるな。俺たちは、仲間だ」
「……スコール?」
唐突な俺の言葉に、彼女は首を傾げるが、俺は敢えて構わず続ける。
「必要ならば、頼れ。誰も拒まない」
「スコール……」
俺の言葉をどう解釈したのか、ティナはしばし俯いてから顔を上げ。
真摯な表情で、呟く。
「……貴方にも、頼って、いい、の?」
(!?)
あまりにも不意打ちの発言に、一瞬全身が石化したような感覚に陥る。
不安げに俺を見つめる紫が、揺らぐのが見て取れて。
俺は半ば無意識に腹に力を込めてから、ゆっくりと口を開いた。
「───勿論、だ」
「……ありがとう」
その時。
彼女は確かに、微笑んでいた。
*
貴女の瞳の宝玉が、穏やかな光を放ち。
貴女には、『心の平和』が訪れるように。
密やかに、願う。
寡黙なふたりは、最小限度の会話で通じ合えそうなイメージがありますね。
ジタンもオニオンも、素早い動きで相手を引っ掻き回す戦法が得意そうなので、無茶は多いようにも思えるのですよ。
実際は思慮深い点もありますので、早々無茶はしないでしょうが…。
どうもありがとうございました。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。