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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/11/23 (Sat) 18:31
Posted by シスターM
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恋花(こいはな)様から拝借したお題、その2です。
今回はそれなりに7×6的要素を描けたかと…お、思いますが。
いかがでしょうか。

大地に咲くのは、見慣れぬ花で。


   *


「ねえ、フリオニール」
「ん、どうしたんだ?ティナ」
声をかけると、彼はすぐに笑みを浮かべて来てくれる。
「このお花、初めて見るの」
「ん?……ああ、撫子だな。へえ、この世界、こんな花も咲いてるんだな」
私の質問に、彼は親切に答えてくれた。
「私のいた世界にはなかったけれど、可愛いお花ね」
「気に入った?」
フリオニールは笑いながら頷くと、そうだ、と言葉を続けた。
「今度、ティナが一番好きだって思っている人に、渡してあげるといい。きっと喜ぶから」
「え?」
「この花の花言葉は『純粋な愛』。俺の世界ではね、自分の気持ちをこの花に託して贈るんだ」
だから渡してあげな、という彼の言葉を耳にして、私の頭の中に浮かんだのは。
いつも静かに見ていてくれて、でも何かあった時には必ず助けてくれている人で。
滅多に見せる事はない穏やかな笑顔を思い出して、唐突に胸の鼓動が高鳴った。
(……どうして?)
不快感はないけれど、その原因が思い当たらない変調。
戸惑う私に気づいたのか、フリオニールが気遣わしげに私を見ている。
「ティナ、どうした?大丈夫か」
「……ええ。多分、大丈夫」
私は高鳴る胸と温度を上げる頬を意識しつつ、深呼吸。

「どうしたんだ?」
「「!?」」
不意に背後から声をかけられて、私とフリオニールの身が同時に竦む。
振り返った先にいたのは。
「クラウド……」
「うわ、ビックリしたな。いつからそこにいたんだよ」
つまり気味な私の声も、フリオニールの声に紛れてその耳には届かなかったのか。
クラウドは肩を竦めると、相変わらずの表情で。
「ここに来たのは、ついさっきだ。それよりティナ、何かあったのか」
「え」
「表情が強張っているぞ。気分でも悪くなったか?」
あまり抑揚のない声で言い放つと、彼の大きな手が私の額に触れる。
唐突に触れられて、私はうっかり硬直してしまうけれど、彼はお構いなしの様子で。
「熱は高くないようだな。しかし、休んだ方がいいかもしれない。無理は禁物だ」
「え、あの、私」
「そうだな。ティナ、俺はあっちで寝床準備しとくから、クラウドと一緒にゆっくり来いよな!」
フリオニールは慌しく立ち上がって走り去り、私は取り残されて。
彼の背中を目で追っていると、急に強い力に引き寄せられる。
「きゃ!」
「あんたはどうも、自分の体調に無頓着過ぎる。まだ戦いは続くんだから、気をつけろ」
溜息混じりにそう言いながらも、クラウドは私を横抱きにしたまま、すたすたと歩き出して。
私は呆然としたまま、彼に運ばれるだけだった。

どきどき、どきどき。
何故だろうか、クラウドの足取りはとても安定していて、不安要素はどこにもないのに。
私の心臓だけがひたすらに、不安定なままで。
普段通りのクラウドとは対照的に、私は激しい羞恥に襲われた。
「あの、クラウド、大丈夫よ。私、自分で歩けるわ」
「駄目だ。あんたの『大丈夫』はどうも、強がっているようで信用できない」
どもりがちな私の言葉を即却下すると、彼はじいっと私を見つめる。
嘘偽りを一切許さないような、どこまでも澄んだ水のような瞳に、言葉を発する事もできなくて。
やがて彼は、普段よりも心持ち低めの声で、私の名を呼んだ。
「ティナ」
「……なに?」

「何かあれば絶対に俺を呼べ。必ず、助けるから」


   *


見上げる私に少し顔を近づけて、囁くように告げられた言葉は。
私の頬の火照りを、先程よりもひどくさせた。

きっと今、私の頬は、撫子よりも鮮やかな色。
 

;




(お題配布元:恋花─こいはな─様) 

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シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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