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昨夜はチャット途中退場後のへろへろ状態で、アップだけして逃げてましたが。
本日は意識も完全クリアーです(笑)
で、獅子でパラレルとなりますと、管理人が最近気に入っているコレと、更に先日アップしたコレ。
時間軸上の順序がおかしな事になっていますが、設定は一応繋げております。
もしお読みでないお客様がおられましたら、ご一読いただけると、管理人のトホホな頭の具合を更にご理解いただけるものと思います。
…この勢いだと、真面目にコレをカテゴリ独立で連作扱いにしそうです。
おかしいな、ウチ兵士とか冒険者イチオシなのですが。
もしカテゴリ分けしていたら、笑ってお許しいただけますように←ホントに意欲ありげで危険
本作は現代パラレル設定につき、嫌悪感を抱かれるお客様は、閲覧をご遠慮願います。
ふと見上げると、蝉が電柱に、止まってた。
──ああ、もうすぐ夏なんだなあ、って。
笑顔で空を見上げたのは、久し振り。
『同級生とわたし、夏休みの手前。』
本日を以って、学期末試験、完了。
答案用紙やレポート用紙との睨めっこの日々が終わり、私は久し振りにカフェで一息入れていた。
「何とか、終わったわね」
溜息をつく私の目の前で、空になったレモネードのグラスの中、氷がからんと涼しい音を立てる。
「試験ばかりというのも辛いものだな。退屈な講義よりましだと思っていたが……」
苦笑いしつつ相槌を打ってくれるのは、涼しげなポロシャツを纏ったスコール。
彼の目の前にも、飲み干されたジンジャーエールのグラスがひとつ。
「2人とも、お疲れ様だったね。でも普段から真面目に講義を受けてるし、大丈夫だったんでしょ?」
くすくすと笑みを漏らしつつ、私たちの空のグラスを交換してくれたセシルに、スコールがしかめっ面。
「出来は問題ない。ただ、あの時間が苦痛だっただけだ」
「本当ね。何度経験しても、試験は嫌いよ」
「学生さんたちのお仕事だもの、仕方ないよ」
セシルはなおも笑みを絶やさず続けると、私へ問いかける。
「それにこれで、あとは楽しい夏休みでしょ。ティナ、お休みの間どう過ごすの?お友達と旅行とか?」
「いいえ、出来る限りはバイトの予定。これから臨時のを探すつもりなの」
「ふぅーん、大変だねえ」
私の回答に、彼はしばし考えてから、ふと思いついたように。
「そうだ!良かったら、一個紹介しようか?バイト」
「え?」
首を傾げると、彼はにこっと笑みを深め。
「ここからちょっと遠い保養地への住み込みでも良かったら、どうかな?日当はそれなりに出せるよ、多分」
「……ちょっと待て、セシル。あんた、まさか」
不意にスコールが口を挟んで来たのに、セシルは笑顔のままで頷いて。
「鋭いねえ、スコール。ご明察」
「っ、あんた、一体何を考えてんだ!?」
「?」
目に見えてスコールが興奮しているのが不思議で、私は2人を交互に見つつ首を傾げる。
そんな私へ、セシルが事情を説明してくれた。
「僕とスコールね、今年はお店を閉めて遠くで過ごすんだ。ティナ、良かったら、賄い役で来てくれない?」
「え、でも」
「実はね、もうひとり女の子も来るんだよ。君が話し相手になってくれると、更に有難いし……」
「おい、セシル、待て!」
突然のお話に言いよどむ私を気遣ってか、スコールは慌て気味に立ち上がり、セシルに迫る。
「あんた、ティナの都合を考えろ。いきなりそんな話をされても、困らせるだけだ」
「だから先に都合を聞いてるんでしょ?ティナ、勿論無理にとは言わないけど、考えてみてもらえる?」
「え、は……はい」
でもやんわりとスコールの抗議を断ち切って、セシルは私に念を押し「後で日程もメールするね」と言い添えて。
私は戸惑いながらも、頷いた。
「ティナ、絶対に無理するな。こっちの事を気にする必要はない」
スコールはなおも私を気遣って、言葉をかけてくれるので。
「ええ、そうさせてもらうわ。ありがとう、スコール」
「……っ、別に、礼などいらん」
私のお礼に、彼は一瞬で頬を染め、視線を逸らす。
改まってお礼を言われるのが恥ずかしいのか、彼らしい態度が何だか面白くて、私は笑みを深くした。
カフェを出て空を見上げると、蜻蛉が高く飛んでいて。
ぎらぎらと眩しい程の強い日差しが、周囲を覆い続けてる。
やっぱり、季節は夏。
(本当に久し振り。こんな風に夏の予定をお話したりできるのって)
夏は、あまり好きじゃない。
だって両親が突然に亡くなって、自分がひとりぼっちになったから。
でも、今年は不思議なぐらい、夏休みが待ち遠しい。
(セリスからも『日帰りでもいいから、絶対夏は一緒に遊ぶわよ!』なんて言われたし……うふふ)
自然に頬が緩んでくるのは、間違いなく自分が嬉しいから。
セリスと遊ぶ日や、セシル達のお誘い。
カレンダーと睨めっこして、スケジュールを立てようか、なんて素敵な考え事もできて。
とても、幸せだと、思った。
──早く、夏が来ないかな。
*
ティナが帰宅後、俺はセシルを睨みつけ、先程の発言の真意を問い詰める。
「あんた、どういうつもりだ!?ティナを連れて行こうだなんて」
「え?何言ってるの、スコール」
にこやかな態度とは裏腹に、やたらと思考が読めない従兄は、どこか含むものを感じさせる笑みを見せて。
「僕は純粋にバイトをお願いしただけでしょう。大体彼女が同行してくれて、拙い事情でもあるの」
「……い、いや、それは」
「前も言ったけどさ、途中から合流するローザにも話相手がいてくれた方が本当に助かるんだよ、僕」
ああ、また、自分の彼女まで持ち出してきて、至極尤もらしい説明をつけてしまう。
柔和な口調の鋭い指摘に、思わず口篭ってしまう俺を、奴はますます追い詰める。
「それとも何?毎日顔を合わせられる素敵生活なんて経験したら、うっかり襲いたくなりそう?」
「!!??」
御伽噺の王子様のような顔で、性質の悪い酔っ払いのような発言をされ、俺はただもう絶句。
そんな俺の態度を見て、奴は大仰に溜息をつき、きつい台詞をずばりと言う。
「ま、君にそんな甲斐性はないよね。未だに一度もデートに誘えない、超奥手だもんねぇ」
「……っ」
奴の指摘があまりにも正確過ぎて、俺は結局行き場のない握り拳を震わせるだけで。
セシルは、そんな俺に苦笑いをしてから、静かに言葉を紡いだ。
「夏休みの間に、せめてもう少し近付くチャンス作りなよ。ショッピングに誘う、とかさ」
「う……」
「大丈夫。ティナ、君に対して嫌がったりはしてない。むしろ好感持ってるから」
「……そう、か?」
恐る恐る訊ねた俺に、奴は静かに頷いて。
「僕らが苦手なら、ここにも来てくれないでしょ。脈ありだと思うよ、自信持って、ね」
「………………うん」
諭すような口調に、俺は沈黙した後で、微かに頷くだけだった。
夏休みが、待ち遠しい。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。