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勝手にティナ受け強化中(&パラレル強化中)の、第三弾をアップします。
実はひっそり拍手も入れ換えましたので、後ほどログも一気にアップ<よせ
無駄に長いのと、3+6+7っぽく見えるのは、拙宅のクオリティのなせる業です…(涙)
本作は現代パラレル設定となっておりますので、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
あと10年だよ!と彼が言ったのは、もう5年前。
『お隣さんとわたし。』
10年前、当時8歳の私は。
お隣に住むご一家の、可愛い3歳児を。
保育園までお迎えに行くのが、日課。
「ティナちゃーん!」
満面の笑みで手を振る金髪の坊やに、手を振り返して。
先生にご挨拶をして、彼と手を繋いで家路につく。
「ルーネス、今日もたくさん遊んだの?」
「うん!あのね、あのね……」
毎日の色々なお話を、一所懸命伝えてくれるのが可愛らしくて。
私の家で彼の両親の帰宅を待つ間、ずっと相槌を打っていた。
5年前、当時13歳の私は。
小・中・高の一環校だった学校の、初等部の入口経由で中等部へ行くのが登校時の通例。
お揃いの制服を身に着けた8歳のルーネスと、話しながら歩く。
気がつけば随分背も伸びて、言葉も大人びてきた彼。
昔のように手を繋いで歩く事もなくなったなあ、なんて考えていると。
「ねえ、ティナ」
珍しくルーネスから話しかけてきたので、視線を向ける。
すると彼は、驚くぐらい真剣な瞳で。
「あと10年待っててね」
「え?」
首を傾げた私に、彼は教えてくれた。
「あと10年で、僕18になるんだ。そしたら絶対、ティナをお嫁さんに貰うからね!」
「まあ……」
頬を真っ赤に染めて、これ以上はない程緊張した顔で。
彼の中では、真剣な告白で求婚なのだろう。
「……わかった。楽しみにしてるね」
私は笑顔で、答える。
するとルーネスは、驚くぐらいに笑顔になって。
「絶対だよ!きっとだよ!」
何度も何度も、繰り返してた。
*
(……あれがもう、5年も前なのね……)
現在の私、18歳の高校3年生、受験真っ只中。
お隣の彼は13歳、ただ今中学1年生。
さすがに中学生と高校生では、生活時間にずれがあって。
朝晩の行き帰りに、姿を見かける事も稀になった。
更に彼が、仲良しのお友達と一緒に歩いてる後ろ姿に、声をかける事はしない。
近所のお姉ちゃんなんて、きっと気恥ずかしいだけだもの、ね。
(ふふ……)
「ティナ、どうかしたのか」
「え?」
不意に声をかけられてはっとすると、たまたま同時間に登校していたクラスメイトが不思議そうな顔。
「思い出し笑いか?あんたにしては珍しいな」
「え、あ、ごめんなさい、クラウド」
「いや、問題ないさ」
微笑して頷く彼に微笑み返して、私はひとり内省する。
(いけない、顔に出てたのね。気をつけないと)
「ティナ!」
「?」
唐突に声をかけられ、振り返ると。
そこにいたのは、件のお隣さんの姿があって。
「まあ、ルーネス。おはよう」
笑顔で挨拶すると、何故かむっとした表情。
「どうしたの?」
訊ねてみると、彼は少しだけ頬を染めて。
「どうした、じゃないよ!ティナ、僕との約束、忘れたの?」
「え?」
「僕が18になるまで待っててよ、って言ったじゃないか!駄目だよ、忘れちゃ!」
じゃあね!と怒った様に言い添えて、ルーネスはダッシュで私達から離れて行き。
私とクラウドは、無言でその背を見送った。
「……どうやら俺の事を誤解したようだな、あの子は」
やがて歩き出すと、クラウドは苦笑い。
「ええ、そうみたい。ごめんなさいクラウド、気を悪くしないでちょうだい」
「いや、問題ないさ」
私の謝罪に、彼はあっさり首を振って、付け足した。
「あれだけ正直に自分の気持ちを言えるのは、羨ましい。いい男に好かれてるな」
すっかり遠くなってしまった小さな背中に、私はそっと語りかける。
(ルーネス。大丈夫、忘れてないよ)
貴方が心変わりしないなら、きっと私、待ってられるからね。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。