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日付が変わってたのと、午前2時からサーバーメンテだという事で、さっさとアップして逃げます。
本作は現代パラレル設定となっております。
苦手なお客様は、閲覧をご遠慮願います。
学校帰りにショーウィンドゥを覗き込むのが、私の、日課。
『お花屋さんとわたし。』
「こんにちは」
「あ、いらっしゃいティナ。今日は何を買いに来たの?」
声をかけた私に、にこやかな笑顔を見せてくれたのは、フリオニール。
豊富なお花の知識と、人好きのする笑顔の温かさが持ち味の、お店の看板息子さん。
「あのねフリオニール、今日は相談があるの」
「そうか。じゃ、ちょっとここを片づけるまで、待っててくれよな」
彼がそう言って示してくれたベンチへ、大人しく腰掛けて、彼の背中を見守る。
高校を卒業してすぐ、ご両親と一緒にこのお仕事を始めた彼。
実際には中学生の時からお店をしっかり手伝っていて、驚く程物知りで。
私が今学校で所属している園芸部の、良き相談相手になってくれる頼もしいOB。
最近は、仕事の役に立つように、とフラワーアレンジメントの勉強も始めているそうで。
多忙な筈なのに、いつも笑顔で応対してくれる。
(大変そう……)
フリオニールのお家でやってるお花屋さんは、近くに大きな病院もあるせいか、繁盛しているけれど。
その分配達なんかのお仕事も多くて、彼はいつでも忙しそう。
とかく外見のイメージと違って、お花屋さんのお仕事は色々と大変で、しかも肉体労働で。
一見長身で細身な彼が、思った以上に逞しい筋肉質の身体をしているのにも、納得。
ぼんやりとそんな事を考えつつ、彼の長い髪が揺れるのを追いかけていると。
「よし!さてと、お待たせ、ティナ」
彼は声を張り上げてから、私にすいっとカップを差し出した。
「え?」
「喉乾いただろ?ごめんな、待たせちゃって」
カップの中身は、薔薇の花弁が浮かんだローズティーで、ふんわりと甘い香り。
「ありがとう」
笑顔で受け取り中身を口に含むと、優しい甘みが広がった。
そんな私を見届けて、笑みを浮かべたフリオニールが、首を傾げる。
「で、何かトラブルでもあったか?確か今年は簡単な花を選んだ筈だよな」
彼の言う事はもっともで、今年の園芸部の花壇に植えたお花は、彼が推奨してくれた栽培方法が簡単なもの。
実際に、そのお花たちには何のトラブルもないのだけれど。
「ええ、ここで買ったお花は全部元気なの。そうじゃなくてね、1年生から相談を受けて」
「何?」
「お家で育ててたエーデルワイスを、学校でも植えたい、って言うのよ」
「へえ……エーデルワイスか」
フリオニールはしばし考え込んでから、口を開く。
「まあ、温室と花壇を避ければ何とかなるだろう。日陰で鉢植えすれば大丈夫だと思うぞ」
「本当?」
「ああ。花壇はやめとけよ、気温が上がり過ぎて花に悪い。素焼きの鉢ならいける筈だ」
あとは虫がつきやすいから殺虫と……と呟きながら、彼は手元の紙に素早くペンを走らせて。
「よし!ティナ、これ渡しておくよ」
見ると、メモ一面に几帳面な彼の字がびっしりと書かれていた。
「この点に注意して育てれば、問題ないと思う。何かあれば呼んでくれ、俺も暇を見て学校に行くから」
「ありがとう、フリオニール。いつもごめんなさい」
「いいって、いいって。学校の花が綺麗に咲いてるのを見るの、俺も楽しみなんだからさ」
だから、気にするなよ?と笑う彼の優しさが、いつも嬉しい。
「ねえ、フリオニール」
「ん?」
私は以前から考えていた事を、口に出す。
「あのね、まだ先の話なんだけど。夏休み、お店のお手伝い、させてもらってもいい?」
「え?」
彼は私の言葉に、目を瞬かせてから。
「そりゃティナだったら、俺も両親も大歓迎だけど。でもティナ、今年3年生だろ。勉強大丈夫か?」
一応世間的には受験生である、私を気遣ってくれるのが、嬉しい。
でも、私は一応これでもそこそこ成績は良くて、推薦入学のお話もいただいているから。
「勉強はもちろんするわ。でも、お手伝いさせてもらいたいの。駄目かな?」
真剣に彼を見つめ、繰り返してみると、彼は頬を微かに赤らめて。
ややこちらから視線を逸らして答えるのは、昔から女性に弱いらしい、彼ならでは。
「わ、わかった、俺も親父に話しておくから。でもティナ、本当に無理はするなよ?」
「ええ。ありがとう!フリオニール」
優しい彼の言葉に、私はきっと、満面の笑みで答えられたと思う。
*
学校帰りに、毎日貴方を眺めるのが、私の日課。
でも貴方、気付いてないでしょ?
だから、そろそろ教えたいの。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。