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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/11/22 (Fri) 19:36
Posted by シスターM
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再び参上しました、管理人です。
勝手に便乗した「ライティナの日」、しっかりライティナ!を書こうとしたはずですが…。
勝手に現代パラレルになっててしかも全然恋愛してないってのは、どういう事だ、と。
…全ては管理人の不徳の致すところでございます…(涙)

ということで、本作は現代パラレル設定となっております。
苦手な方は、閲覧をご遠慮願います。
なおティナのご友人方のお名前は、6本編から拝借しましたが、関連性はゼロでございます。


女子大というのは、特異な環境だと思う。
どんなに派手な服装や化粧をしていても、たとえコスプレで歩いていても。
「男性」というものの前では、存在感は薄れてしまうのだから。
常日頃から女性しかいない空間の中の、それは不文律。


『W講師とわたし。』


(……あ)
本日1講目の講義はないので、ラッシュを避けて登校してきた私。
廊下を歩いていてふと顔を上げると、真正面から歩いてくる銀縁眼鏡の人に目を留めた。
案外若くて美形が多い、と評判が高いうちの大学教授陣の中でも、一二を争う人気者であるウォーリア講師。
ラフなシャツを無造作に着ているだけなのに、やたらと様になるというのは、凄いと思う。
すると向こうも私に気付いた様子で、右手をひらりと上げた。
「おはようブランフォード君、今日は2講目からなのか」
「はい、ウォーリア先生。おはようございます」
講義中の廊下は人通りも皆無で、ひっそりと静まり返り。
そんな中、私はゼミの講師の先生と小声で会話を交わす。
「今日のゼミの当番は君だったな、大丈夫か」
「はい、テーマは固まっていますので。先生、私は図書館に寄りますので」
「ああそうか、呼び止めて済まなかった。では後程」
軽快な足取りで立ち去る先生にぺこりとお辞儀して、私も図書館へと歩く。
互いに、振り返る事もなく。

友人達との昼食時、様々な話題が上る中、ウォーリア先生の話が出る事は結構多い。
「ねえねえ、今日のウォーリア先生のシャツ、決まってたよね」
「えー、リルムったら今日先生と会えたのぉ?いいなあ……」
同じゼミを専攻するリルムとレイチェルは、先生のファンなので、今日も先生の服装チェック。
そんな2人を呆れ顔で見ているのは、もうひとりの友人セリス。
「あんたたち、大学に何をしに来てるのよ?先生の追っかけじゃないでしょう」
「あらあ、セリスったら、綺麗な男性で目の保養って大事よぉ?」
溜息混じりに注意を飛ばしたセリスに、レイチェルが反論。
「そうだよねえ、女子大なんて出会いの欠片もないんだから、せめてイケメン先生ぐらい見させてよー」
「2人とも、そんな事言って!昨日は昨日でクラウド先生に大騒ぎしてるし、全く……」
リルムまで加わった講義に、セリスは盛大なしかめっ面。
そんな3人の遣り取りに笑みを漏らしつつ、私は口を挟んだ。
「ところでリルム、レイチェル、お昼休みあと10分よ。デザート食べる時間、ある?」
「「!」」
「ゼミ前にお化粧直す時間、必要なんでしょう?早くした方がいいわ」
私の一言に、彼女達は慌てて目の前のランチプレートに向かった。
憧れる先生の前で、少しでも綺麗にしていたいという、健気な女心が可愛らしくて。
(何か……ごめんね、2人とも)
私はそうっと心の中で、溜息を零した。


   *


今日の授業も無事終わり、バイトも終えて、帰宅時間は午後8時半。
「ただいまー……」
「お帰り、ティナ。遅かったな」
疲労した私を出迎えてくれたのは、兄の─ウォーリア。
大学にいた時と同様のシャツ姿のまま、にこやかに笑みを浮かべている。
「うん、今日はバイトの交代が遅くなってしまったの。ごめんなさい」
「いや、構わない。私も先程戻ったばかりだ。食事はどうする?」
穏やかな口調で話す兄に、私は釣られるように微笑んで告げた。
「すぐ食べるわ、朝にカレー作っておいたもの。兄さんはどうするの?」
「私も勿論いただこう」
「じゃ、用意するわね」
エプロンをつけて、台所へ。

幼い頃両親を亡くし、それぞれ違う親戚の家に引き取られて育った私達。
今でこそ同居しているが、養子縁組の関係で苗字も違うため、兄妹だとは案外気付かれない。
(まあ、自分達から言ってもいないんだから、当然でしょうけど)
別に2人とも、露見する事が嫌なわけではないのだし。
でも。
「あー、ティナ、おかわり貰えるか」
「え、はい、兄さん」
「ありがとう」
亡き両親の遺した家で、同居生活を始めてから、約2ヶ月。
今までずっと離れ離れで暮らしてた分、互いに兄妹だと意識はしてても、妙な遠慮があるのも事実で。
「あの、兄さん」
「ん?どうしたんだ、ティナ」
こちらに目線を合わせてくれる兄に、私は緊張感を持ちつつ訊ねる。
「週末に、一緒にお父さんとお母さんのお参り、行きたいんだけど」
「……月命日か。そうだな、一緒に行くのは初めてだ。是非そうしよう」
「うん!」
学校ではどちらかというと無愛想で、事務的な口調の兄が。
はにかんだような笑顔を見せてくれるのが、嬉しくて。

(……まだもう少しだけ、このままでも、いいよね)
友人達へ謝罪しつつ、せめて、このどこかぎこちない空気を、もう少し改善するまでは。
2人の空間を、楽しみたいと思うのだ。

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シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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