◆植物園（２×６的、６視点）※現代パラレル的

拍手お礼リサイクル文、残り少なくなってきました。
のばら氏は今回の作品中、色んな目に遭わされてる苦労人な方ですね。
何より彼の国の為政者が…アレですものね、お気の毒。

植物園（botanical garden）

珍しい薔薇を数多く揃えた温室を擁する、街中の植物園は、彼も私もお気に入り。
こうやって、お仕事の余裕がある時は、お互いのお弁当を持参してのランチもお約束。

今日もベンチに並んで腰掛け、ランチタイムを楽しむ。
フリオニールのサンドイッチをひとつ貰う代わりに、私の空揚げとサラダをお裾分け。
「いい陽気になって来たわね、フリオニール」
「ああ、そうだな。週末には花見もいいだろうな」
「え、桜はもう時期が終わりじゃないの？」
「山はこれからだよ、ティナ」
目を細めて木々を見上げるフリオニールは、仕事の時とは違う穏やかな表情で。
見ている私も嬉しくなって、つい口元が緩む。
「ね、フリオニール。週末、一緒にお花見行きたいな」
「俺でいいのか？」
「うん。駄目かな」
すると彼は、やや慌て気味に首を振って。
「そうじゃないよ、むしろ俺も嬉しいさ。じゃあ俺が車を出すから、出かけようか」
「ええ」

　　　＊

週末のお弁当は、彼の好物を揃えよう。