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週末は月の使者来襲で、久々に寝てました(爆)。
おかげで生活リズムが狂いまくり、更新もろくにせぬままでした、申し訳ございません…。
とりあえず、漸くできた小噺を。
拙宅にて一番に贔屓してしまっている兵士×少女的なお話です。
甘いお話を目差して書いたはずなのに、それなりにお膳立てもしたはずなのに!
何故このシチュエーションで、何もねえんだこの2人わー!と石投げられそうな駄作となりました。
…文才探しの旅に出ようと画策しております…。
一応5月末日を目処として、本作はフリー配布とさせていただく所存です。
6月となりましたので、フリー配布を終了いたします。お持ち帰りくださいました皆様、ありがとうございました。
雨音を聴きながら、君の温もりを感じていた。
『雨音』
本来ならば探索を終えて早急に帰還する予定が、急な天候悪化により思わぬ足留め。
俺はティナの手を引き、偶然発見した小屋へ潜り込んだ。
「ひどい降りだったな」
「ええ」
相当前に打ち捨てられた様子の荒れ方ではあったが、使えそうなものをかき集め、ティナの魔法で火を起こす。
「体と服は乾かせそうね」
微かに安堵の表情を浮かべつつ、ティナは持参していた簡易鍋で湯を沸かし、お茶を用意してくれた。
「はい、クラウド」
「ありがとう。用意がいいな」
俺が礼を述べると、彼女は気恥ずかしそうに微笑む。
「たまたまよ。昨日バッツと話していたから」
「バッツ?」
意外な名前に俺が声を上げると、彼女は頷いて。
「遠出のときには準備しておいた方がいい、って力説されて。でも、本当だったわ」
「……あいつらしいな」
「ええ」
俺が苦笑いしつつ答えると、ティナは笑みを深めて頷いた。
持参してきていた携帯食を口にしてから、並んで火に当たっていると。
「……くちゅん!」
可愛らしいティナのくしゃみが、空間に響いた。
「体を冷やしたか」
「そう、なのかしら」
俺たちは今ふたりとも雨に濡れた衣装をほとんど脱ぎ、下着だけで毛布に包まっていて。
互いの衣装はまだ湿っており、これ以上羽織れそうなものなど皆無。
と、なれば。
「ティナ、こっちへ」
「?ええ」
俺はティナを手招きすると、怪訝そうな表情ながらも素直に腰を上げた彼女を引き寄せて。
「きゃ!?」
上がる悲鳴には構わずに、彼女が包まる毛布ごと、俺の毛布の中へ閉じ込めた。
自分の腕にすっぽりと収まってしまう程華奢な体躯が、突然の抱擁に硬直する。
「窮屈だろうが、我慢してくれ。体を温めるのが先だ」
「大丈夫、ちょっと驚いただけ」
俺の言葉にも、平常通りの調子で答えると、ティナは体の力を抜いた。
少女の神経は、思いの外強固だと思う。
(……実際、さっきも俺の目の前で平然と服を脱ごうとしたからな……)
天井を仰いでしまう、目に焼きついた光景。
慌てて脱衣をしようとする手を止めさせ、自分が後ろを向いたのだ。
他の仲間も含め、男の前で肌を晒す事に羞恥を覚えないのは、彼女の特殊な生い立ちに拠る所が大きくて。
曰く『他人が自分の体を隈なく検査するのが日課だった』という、実験体として扱われていた日常。
少女は、この身にも心にも、どれ程の苦痛を負ってきたのか。
「……あの、クラウド」
唐突にティナが声を上げ、身を捩る。
「ん?」
「ごめんなさい。もう少し腕の力、緩めて欲しいの。駄目?」
彼女の気まずそうな視線と声で、うっかり必要以上に強く抱き締めていた事を悟り。
「悪かった」
「いいえ。私こそごめんなさい、迷惑をかけてしまって」
慌てて腕を緩めると、少女はほうっと息を吐いて、ゆっくり凭れかかってきた。
それからこちらを上目遣いに見上げ、囁くようなか細い声。
「暖かい……」
ありがとう、と目を細める様子が愛らしくて、俺の顔も自然に綻んだ。
薪の爆ぜる音が、止まない雨の音に混じる。
腕の中で大人しくしているティナは、体も温まったのか、少し眠そうな表情になってきた。
「ティナ。眠れそうなら、このまま眠っていい」
「でも」
「俺は平気だ。少しでも体を休めてくれ」
囁きかけるように言葉を落とすと、少女は逡巡してから、それでも微笑んで。
「ありがとう、クラウド……。おやすみなさい」
そっと瞼を閉じると俺の胸に擦り寄って、静かな寝息を立て始める。
まるで、子猫がお気に入りの毛布に包まるような仕草。
(……いい夢を)
雨に湿った香りが微かに残る、彼女の柔らかな髪に唇を落とし、そう願った。
*
柔らかい温もりを、抱き締めて。
今宵はきっと、優しい夢が見られそうな気がした。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。