◆９ これから背負う痛みの悲しさ（９×６的、６視点）

空飛ぶ青い何か。様から拝借している「戦場の大地１０のお題」、９作目は盗賊さんで。
彼は先を読む力にも長けていそうなイメージです。年齢じゃなく、経験というかそんな感じで。
同格は旅人さん。周囲の雰囲気を察するなんてのも、お手の物なんだろうなあ、と。
いい加減９本編をプレイすべきか。イヤしかし、時間が（汗）←ハマりそうな予感大

９　これから背負う痛みの悲しさ

この果てにあるものは、何だろう？

　　　＊

「最後の夢を見た後には、何が残るんだろうな」
「え？」
首を傾げた私に、ジタンが笑って。
「この世界そのものが、繰り返される夢のような場所だから、さ。夢の終わりには、何があるかと思って」
「夢の終わり……」
呟く私の手を取って、彼は笑顔のまま何かを乗せた。

「なあに？」
「ティナちゃんに、プレゼント」
掌に乗せられていたのは、緑色の葉。
「四葉って言うんだ。それぞれ希望・信仰・愛情・幸福のシンボルだって、俺のいた所だと言い伝えられてたんだ」
「そうなの……」
掌の上の葉を見つめ続ける私に、ジタンは続ける。
「どんな夢にも終わりは来る。どんな楽しい出来事だって。でも、どんなに悲しい日があっても、必ず終わる」
「ジタン……？」
首を傾げた私に、彼はウィンクをして。
「ティナちゃん。どんなに辛くても、痛くても、俺たちが一緒だ。だから、頑張ろうな」

彼の言葉の意味を深く汲み取る事はできなかったけれど、それでも。
「……ええ」
私は素直に頷いて、笑った。
そうすれば、彼も笑ってくれるから。

　　　＊

どんなに苦しみを、痛みを背負う事があっても、いつか必ず終わるのだから。
悲しさも、受け入れて見せよう。