[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
いきなりDDFFから飛ぶのは、これまた拙宅のトホホさ加減大爆発ですが、ご容赦を。
彼については、物凄く明るいキャラとして書く場合と、屈折したキャラにする場合と両方なのですが。
年を重ねる毎に、彼の影が目に付きまくって大層暗い野郎となってる印象が(汗)
ファンの方には申し訳ない限りです。
5 護れた者と守れなかった物
彼の瞳が、遠くなる。
*
いつ、とかどんな時、とか特定できるものじゃないけれど。
彼は時々、恐らくは自分でも無意識に、遠い目をする。
「ロック、どこにいるの?」
食事の時間になったので、私は彼を呼びに出てきた。
無意識に気配を消して遠くへ行く彼を、微かに残る名残りを頼りに探し出すのは私の役目。
辺りを注意深く探りつつ、辿り着いたのは、眺めのいい小高い丘で。
遠くに見えるシルエットに、バンダナらしきものが靡いていた。
「ロ……」
声をかけようとして、ふと思いとどまって、その背を見つめる。
確かに彼はそこにいるのに、やけに背中が遠く見えて。
(あの人を、思い出しているの?)
彼にとって永遠の女性であるひとを、折に触れては思い起こしている、彼。
その状況を邪魔する事など、できるはずもなくて。
少しだけ躊躇った後、思いきって声をかける。
「ロック!」
途端に、微動だにしなかった彼の背が大きく揺れて、こちらへ振り返った。
「ティナ!」
驚きのためか声は大きいけれど、逆光なのかその表情は読み取れない。
「食事の時間よ」
「え、マジ?もうそんな時間かよ、わかった、サンキュー!」
快活に大声で応じ、こちらへ駆け寄って来る彼の表情は、いつも通りで。
先程まで背中に見えていた影が、もう見えない。
「ありがとな、ティナ、来てくれて。さ、行くか!」
人好きのする笑顔と、差し出された手は、普段どおりだったから。
私は頷いてから彼の手を取り、彼の歩みに着いて行く。
途中、彼はいつも通りに面白おかしく色々な事を話し、私は笑い声を立てていたけれど。
時折見上げる彼の瞳には、どこか見知らぬ色が含められていて。
きゅ、と胸が締め付けられるようになった。
*
護れたのは、皆の命と皆の未来。
守れなかったのは、彼が得る筈だった未来。
いつかは、その悲しみが、癒されるのだろうか。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。