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勢いだけでとりあえず開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。DDFF及びFF6にて魔導の少女を溺愛する駄文を羅列いたします。
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2024/11/21 (Thu) 23:08
Posted by シスターM
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空飛ぶ青い何か。 様から拝借している「戦場の大地10のお題」、5作目は6の冒険家です。
いきなりDDFFから飛ぶのは、これまた拙宅のトホホさ加減大爆発ですが、ご容赦を。
彼については、物凄く明るいキャラとして書く場合と、屈折したキャラにする場合と両方なのですが。
年を重ねる毎に、彼の影が目に付きまくって大層暗い野郎となってる印象が(汗)
ファンの方には申し訳ない限りです。

5 護れた者と守れなかった物

彼の瞳が、遠くなる。


   *


いつ、とかどんな時、とか特定できるものじゃないけれど。
彼は時々、恐らくは自分でも無意識に、遠い目をする。

「ロック、どこにいるの?」
食事の時間になったので、私は彼を呼びに出てきた。
無意識に気配を消して遠くへ行く彼を、微かに残る名残りを頼りに探し出すのは私の役目。
辺りを注意深く探りつつ、辿り着いたのは、眺めのいい小高い丘で。
遠くに見えるシルエットに、バンダナらしきものが靡いていた。
「ロ……」
声をかけようとして、ふと思いとどまって、その背を見つめる。
確かに彼はそこにいるのに、やけに背中が遠く見えて。
(あの人を、思い出しているの?)
彼にとって永遠の女性であるひとを、折に触れては思い起こしている、彼。
その状況を邪魔する事など、できるはずもなくて。
少しだけ躊躇った後、思いきって声をかける。
「ロック!」

途端に、微動だにしなかった彼の背が大きく揺れて、こちらへ振り返った。
「ティナ!」
驚きのためか声は大きいけれど、逆光なのかその表情は読み取れない。
「食事の時間よ」
「え、マジ?もうそんな時間かよ、わかった、サンキュー!」
快活に大声で応じ、こちらへ駆け寄って来る彼の表情は、いつも通りで。
先程まで背中に見えていた影が、もう見えない。
「ありがとな、ティナ、来てくれて。さ、行くか!」
人好きのする笑顔と、差し出された手は、普段どおりだったから。
私は頷いてから彼の手を取り、彼の歩みに着いて行く。
途中、彼はいつも通りに面白おかしく色々な事を話し、私は笑い声を立てていたけれど。
時折見上げる彼の瞳には、どこか見知らぬ色が含められていて。
きゅ、と胸が締め付けられるようになった。


   *


護れたのは、皆の命と皆の未来。
守れなかったのは、彼が得る筈だった未来。

いつかは、その悲しみが、癒されるのだろうか。
 

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シスターM
性別:
女性
自己紹介:
とうとう40代になった専業主婦。
二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。
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