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タイトルから速攻で思いついたのが、どうしても彼でした。
実際の4プレイ時「かばう」ってあまり使わなかったですが、皆様どうでしたか?
4 我を顧みず
守らないで。
*
聖騎士だから、と彼は何の躊躇いもなく、皆を率先して庇う。
だけどその行動が、苦しい。
「あの……セシル、ちょっとだけ、いい?」
「?うん」
彼に伝えようと思って、誘った。
歩きながら、訊ねる。
「セシルはいつも、仲間を庇うの?」
「え?ああ、そうかもしれないな。僕の聖騎士という職業柄、仕方ないのかもしれないけれどね」
彼が苦笑いしながら教えてくれたのは、元の世界の仲間たちの事で。
今の仲間内では重装備ながら華奢に見られがちな彼が、体力があった方らしい。
「魔導士や召還士、ジャンプ攻撃が主体の竜騎士、先制して奇襲をかける忍者……皆防御役には向かないだろう?」
「ええ、確かにそうね」
「ウォーリアやルーネスのように鎧をきっちり纏っている仲間って、考えれば初めてだよ」
セシルは笑みを絶やさぬままに、自分で納得したように頷いていた。
「だから、体が動いてしまうの?」
私が再び問いかけると、彼は静かに目を伏せてから、首を振る。
「違うな。恐らくは……無意識に、贖罪をしているのかもしれないね」
彼が告白した『罪』。
主君を殺して姿を奪った魔物に騙され、罪なき人々を苦しめた過去。
更に、仲間のひとりとなる少女が生まれた村も、彼女の母親も、手にかけて。
「……正しい方法じゃないって、わかってはいるよ」
セシルは苦しげに呟くと、自分の両手を見つめる。
「僕の両手は、今まで手にかけた罪なき人々の血に塗れている。許しを請う事など、許されないさ」
「セシル……」
「だからせめて、仲間の命ぐらいは守りたいのかも、しれないね……」
淡々とした口調なのに、血を吐くかのような声を振り絞った、セシルの様子が苦しくて。
私はそうっと手を伸ばし、彼の白い手を握った。
「ティナ?」
首を傾げるセシルの手を握り締め、私は言う。
「セシル、生きて」
「ティナ……」
「生きて。必ず、生きていて。自分の命を、殺さないで」
「……ありがとう」
セシルの声が、微かに震えていたのも。
いつの間にか私たちが歩みを止めて、お互いに寄り添っていたのも。
ふたりだけの、秘密。
*
自分を、守って。
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二次創作歴はオンラインで10年程度。たまに好きジャンルのアンソロ本に寄稿させていただいてました。
此度はソフト未購入なのにムービーと素敵サイト様の作品によって墜落→6キャラ総愛され→本編6カップリングプラス、とブログがおかしな進化中。結局ハード込みでソフトお買い上げ(笑)自プレイはチュートリアルで既に断念気味。