◆ティナさんお誕生日おめでとう！その４

シリーズ中でも人気があり派生作品も多いのが４。
我が家にもＤＳ版があるんですが…止まってる（滝汗）。
主人公ズのイチャコラっぷりがアレだとか、ミジｎもといラスボスの見た目がアレだとか、そういう理由じゃないんですが。

それにしても元で既婚者＋子持ちである彼とは、恋愛フラグが立てられません。
どうしても通常ペースの会話文的小噺になってしまいますねぇ。
ご期待下さっているお客様がおられましたら、本当に申し訳ありません。

「あなたには、愛するひとがいるのでしょう？」

彼女からそんな言葉を聞くとは思わなかったけれど、そうだよ、と答えた。

「素敵ね」

どうして？と尋ねれば。

「家族に、なれるわ」

 

思い出すのは、遠い記憶の中の両親。
確かにふたりは、笑っていた。

 

「君にも、きっと現れるよ、愛するひとが」
「……そうかしら」
「そうだよ」

若草色の髪を、そっとひと撫で。

「だって君はご両親に愛されて、生を受けたんだから」
「セシル」
「大丈夫。自分を信じていて」

さあ行こうか、皆がパーティーの準備を張り切ってるからね、と。
白く小さな手を握って、笑いかければ。

「ありがとう」

嬉しそうに、微笑んだ。

　　　＊

今日の主役に、乾杯しましょう。

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◆空を仰いであと１歩（４＋６）

空飛ぶ青い何か。様から拝借した「空と青で33のお題」、拙いながらもチャレンジしている管理人ですこんばんは。
拙宅でもあまり扱わず、他サイト様でもお見かけする事が少ないと思われる４６でございますが。
やはり４の公式設定（＝妻子持ち）が、多大な影響を及ぼしているのでしょうね。
皆様は、どう思われますでしょうか。

９　空を仰いであと１歩

もしかしたら。
貴方にだって、届くのに。

　　　＊

元の世界では、飛空艇を駆って空を巡っていた、と。
穏やかな微笑みで語るあの人は、いつも悲しい瞳をしている。
だから、訊ねてみた。

「セシル」
「何だい？ティナ」
「貴方は、空が嫌いなの？」

するとあの人は、目を丸くして、笑った。

「考えた事がなかったよ」
「そうなの？」
「うん」

目を細めた彼の唇が紡ぎ出すのは、命じられた殺戮の過去。
主君の姿を模した異形に気付けずに、苦しみながらも奪った、命。
それは彼が記憶しているからこそ、彼にとって一生消える事のない、罪。

「命じられるままに船に乗っていたからね。僕は主君を信じていたし」
「そう……」
「今でも思うよ、自分がもっと早く気付けていたら、とね」

彼はまた、空を仰ぐ。

　　　＊

空の中に彼が見るのは、消せない過去。
そこに、私はいない。

あと１歩近付いても、きっと貴方に、届かない。

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◆04・希望になれたら（４+６）

devil+angel 様から拝借した「ティナで10題」、次はセシルの出番です、が。
どうにも彼の立場を暗く重くしてしまうのが、好きなようです。
一生罪を贖って生きる、という点は、2人の共通点なのかな、と。

04・希望になれたら（４+６）

結局、手を血で染めるのは、おなじ。

　　　＊

「綺麗なままでは、いられないよ」

誰よりも綺麗な、白が似合う人は、寂しそうに笑う。

「自分の手を汚してでも、守らなくてはいけないものが、あるからね」

 

「……そうね」

私の手も、既に血まみれ。
生きるために、守るために、生命を奪ってきた。
それを否定するつもりなんて、ない。

だから、せめて。

「未来に生きるひとたちが、未来を夢見る事ができる世界を、つくりたいわ」

 

「……そうだね」

静かに頷いてから。
セシルは、ゆっくりと兜を被って。

その表情は、もう、見えなかった。

　　　＊

希望を作るために。
この手を、汚してでも、生きる。

貴方も、私も。

【配布元：devil+angel 様】

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◆サムシングフォー（４×６的 ４視点）

拍手お礼リサイクル、その４です。
この御題はセシルしかいないでしょう（笑）＜思い込み
実際にサムシングブルーの青いリボンは、花嫁の下着に結んでおくことが多いそうで。
２次会などで人前でそれを花婿が解くというイベントも、あるらしいですね。
…１８禁にできそうな世界ですが…。

セシル相手なら大丈夫そうです♪＜え

『サムシングフォー』

 

しあわせになれますように、と。
祈りの言葉を、託して。

　　　＊

城で代々使われている、総レースで作られた花嫁のヴェール。
彼女のために誂えた、ロング丈のシルクグローブ。
先に家庭を持った友人から借りた、ハンカチ。
そして、青いリボンはアンダーへ結んで。
「最高に綺麗な花嫁だよ、ティナ」
「うん……。ありがとう、セシル」
僕の褒め言葉に、はにかみながら微笑んだ新妻の手を取り。
グローブの上から、そっと唇を落とす。

「これから君を、大変な目に遭わせてしまうかもしれない」
ひとりの男であると同時に、一国を預かる為政者である、自分。
その伴侶として、苦楽を共にする事が、どれ程少女に苦難を背負わせるのか。
でも、彼女は求婚の時と同じく、微笑んで。
「あなたと一緒に歩く事ができるのだから、大丈夫よ」
力強く、告げてくれた。

 

僕はティナの腕を自分に絡ませて、微笑みかける。
「……さあ、行こうか、王妃」
「ええ、陛下」
歩むのは、僕らの、始まりの一歩。

言い伝えのままに、どうぞ、君を幸せに。

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◆闇葬（４×６的 ４視点）

こんばんは。
某様の素敵チャット参加中にＰＣ前で普通に爆睡してたトホホ管理人です。
こういう時は速やかに退散して、アップだけして寝ることにします。


と、いうわけで。
前回同様、モニカ様の「選択式御題」から、新たに拝借したお題「葬－funeral」 の続きをアップ。
４→６の色が非常に濃い（と申しますか、それしかない）痛い独白になっております。
苦手な方は閲覧をご遠慮いただけますように。

闇葬（４×６　４視点）

君が、気がつくその前に。

　　　＊

もしも君が、僕の気持ちに気付いたら。
きっと君は、僕から離れて行くだろう。

いいや、違うね。
君は、誰が相手でも同じだから。
ひとを愛し、愛される事を拒絶するから。

もしも君が、誰かの気持ちに気付いたら。
きっと君は、誰からだって離れて行くね。

幸せを、拒むんだね。

 

 

だったら。
僕の想いは、心の闇へ葬るから。
君に逢えなくなるよりは。
君を得られない方がいい。

それが、僕の愛し方。
 

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